松村:いえ、違います。まあ、中学はちゃんと行っていたので、英語にかぎらず成績は基本的によかったですが。高校でも最初の試験だけは中学の蓄積で学年5番とか、よかったはずです。ただ、高校では「勉強はもうやらない」と決めたので、すぐ劣等生になりました。成績は全教科悪かったけど、特に英語がダメで赤点ばかり。授業もさぼりまくり、出席日数ギリギリで何とか卒業しました。
安河内:やんちゃな青春時代を送っていたようですね。では、高校までに海外に行った経験は?
松村:いっさいありません。
安河内:コテコテの純ジャパですね。なのに、今は英語を不自由なく操っている。しかも、読む、聞く、書くだけでなく、純ジャパにとって最もハードルが高い話す部分の能力も高い。その結果、あのグーグルからも多額の出資を引き出すまでになった。出資額は数億単位?
松村:はい、そうです。
安河内:高校卒業時にはまったく話せなかったのに、何があったのか教えてください。大学受験は?
松村:しませんでした。高校ではクラスで1番か2番目に成績が悪かったですし、絶対に受からないのが明らかでしたから。大学進学という選択肢がない中で、どうするか考えていた高3のときに、「シンガポールに空き部屋ができるから、お前タダで泊まっていいぞ」と、知り合いから声がかかったんです。渡りに船で、「卒業後はシンガポールだ!」と即決しました。
プー太郎→語学学校1カ月で退学!
安河内:じゃあ、卒業と同時にシンガポールへ?
松村:いえ、あてにしていたタダ宿の話がおじゃんになってしまったんです。しばらくは何もせず、プー太郎の状態でした。でも、友達にはシンガポール行きを宣言していたし、今さらあとには引けなくなり……。アルバイトでお金を貯めて、1年半後にようやく向かったんです。
安河内:となると、20歳のころですね。で、「Youは何しにシンガポールへ?」
松村:英語の学校に語学留学しました。ただ、周りに語学留学の経験者はいなかったし、下調べもしなかったので、よく事情もわかっていなかった。まあ、「1年ほど暮らそう」くらいにしか考えていませんでした。
最初にplacement test(クラス分けの実力テスト)を受けたんですが、結果はいちばん下のクラスでした。be動詞から習うような超初級者向けですね。結果を教えてくれたイギリス人のおばさまが「でも、ここだと生徒は幼児ばかりだから」と、お情けでひとつ上のクラスに入れてくれたんです。それでもI amとかthey areとか現在形のbe動詞から習うので、全部知っていることばかり。進み具合も遅くて、I am going toの先を習うのは次のセメスターだと言うんですね。さらに学費が月10万円もかかると知って、1カ月でやめました。
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