そのため、日本のように駐車マスをどう確保するかという問題はほとんどないようだ(参照:有料化も検討「SA/PAの駐車マス」巡る熱い議論)。それどころか、駐車マスそのものがなく、それぞれのクルマやバスが好き勝手に停めていて、それでも特に混雑しているようには見えない。
もちろん、イランにも日本の年末年始や大型連休にあたる混雑期間もあって、そのときは「相当な混雑が起きる」とのことだ。
ちなみに、イランの「正月」にあたるのは、「ノールーズ」と呼ばれる春分の日で、この時期は国中の人が休暇に入る。これは、古代ペルシア時代から信仰されてきたゾロアスター教の暦に合わせたもので、日本の年末年始にあたる12月31日や1月1日などは、まったく通常と同じである。
名物料理「アーブ・グーシュト」
比較的規模の大きなサービスエリアでは、食事を摂れるスポットが複数ある。ちょっとした軽食が食べられるカフェと、きちんとしたレストランが揃っているところも多い。
テヘランに戻る途中、残り1時間ほどの場所にあったコム近郊のサービスエリアは規模が大きく、たくさんある売店の中には、焼き菓子を製造する工房を備えたお店もあった。
レストランは、円形の池を囲むように建っており、「アーブ・グーシュト」と呼ばれる名物料理が提供された。
これはラム肉とジャガイモ、タマネギ、ヒヨコマメなどの野菜を、ディーズィーと呼ばれる小さめの壷に入れて長時間弱火で煮込んだ料理で、その具を専用のすりこぎのような道具で潰してナンにつけて食べる。野菜の味が強くねっとりした食感がお腹にたまる、おもしろい料理だった。
売店で売られているものもさまざまで、おもちゃや日用雑貨もあれば、靴や衣料品、化粧品などの生活必需品の店もある。一方で、伝統工芸品のような、旅のお土産になりそうなものもあった。
イランはナッツ類やドライフルーツの生産が多く輸出もされているが、ヒマワリの種、アーモンド、ピスタチオ、柑橘類やイチジクなどのドライフルーツの量り売りをしているコーナーも目についた。
クルマへの依存度が高いお国柄もあるのか、これまで見てきた多くの国のサービスエリアに比べて、店舗はバラエティに富んでいた印象だ。
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