上記5つのなかで3つ以上当てはまると、マラソンにハマる素質は十分。5つパーフェクトな人は逆に走らないともったいない(かも)。では、5つの要素を具体的に解説していこう。
かけっこが遅かった人は、遅筋が強い?
最初のどちらかというと徒競走は速くなかったという方は、マラソンの才能という部分が優れている可能性がある。運動会などの徒競走は、いわゆる「短距離」で争われるため、速筋の多い人が有利だ。速筋は文字通り、速い動き(瞬発的に大きな力を出す動き)をするときに必要な筋肉。反対に、持久力(小さな力を長く引き出す)が必要なときに活躍するのが遅筋だ。
速筋と遅筋の割合は個人差があり、そのパーセンテージによって種目の適正が変わってくる。そして、両者のバランスは基本、大きく変えることはできない(トレーニングによって速筋を遅筋に近い性質に変えることはできても、その逆はできない)。
徒競走が速かった速筋タイプの人もマラソンで自己ベストを伸ばすことはできるものの、遅筋タイプの方が断然有利になる。ちなみに筆者は5人ほどで争われる学校の徒競走で1番をとったことはないが、マラソン大会は学年で1番だった。徒競走が速くない人は持久力が優れている可能性が高いといえる。
徒競走も速くなくて、マラソン大会の順位も良くなかったという人は、たんに“トレーニング不足”だった可能性が考えられる。たとえば、運動部ではなかった。もしくは運動部でもマジメに活動していなかった人たちだ。そういう方は、自分の小さな才能に気づかず、これまで過ごしてきただけであり、ランニングを始めた途端、一気に才能を開花させることもある。
スポーツに熱中した時期があまりない(もしくは不完全燃焼だった)という人は、アスリートへの憧れが強いと思う。運動が得意ではなかった人が、レースに出場するたびにタイムを短縮することで“新たな自分”に出会うことができる。その喜びは、スポーツエリートだった人よりも大きいはずだ。
筆者は大学まで陸上部だったが、いまも熱心に走っている元チームメイトは、どちらかというと当時「もう少し頑張れよ」と思っていた人たちだ。学生時代を考えたら、ちょっと不思議な光景。不完全燃焼だった過去の自分を埋め合わせするかのように走っているのが面白い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら