ところが交際に入ったものの、次のデートがなかなか決まらなかった。ひろしが、週末のデートを誘っても「今週末は、地方に住んでいる叔母の家に行く用事がある」、次の週末は「土曜日は母の付き添いで病院に行く」、次の週末は「友達との約束がある」などと言って、お見合いから3週連続で、週末に予定が入っていた。
ファーストデートができたのは、お見合いから1カ月後だった。そして、そのデートの別れ際に、ひろしは「来週もお会いしませんか?」と誘ったのだが、「予定がある」と断られ、次に会えたのが、ファーストデートからまた1カ月後だった。
お見合いから2カ月経っても…
結局、お見合いをしてから、2カ月以上が経ったのに、デートができたのはたったの2回。
ひろしは、筆者に言った。
「予定が入っているというのは口実で、別のお見合いをしているから、週末は忙しいのではないでしょうか?」
さとえは、もしかしたらひろしの言う通り、別のお見合いをしていたのかもしれない。
「どちらにしろ、会うペースが1カ月に1回のお相手とは、結婚まで進展しませんよ。交際終了にしたほうがいいのではないですか?」
筆者はこう言ったのだが、ひろしには未練があった。
「私は今さとえさんとしかお付き合いしていないし、これを断ったら誰もお付き合いする人がいなくなってしまう。それに、35歳の女性とお付き合いできるのは、滅多にないこと。子どもが欲しいと思っている私にとっては貴重なお相手です。先方からお断りが来るまでは、このまま交際していたいです」
確かに相手が断ってこないのだから、可能性はゼロではない。しかし、このように超スローテンポで交際をしているカップルが、成婚に至った例をこれまで見たことがない。
相手が断ってこないことにすがって、形だけの交際を続けていると、そこには後ろ髪を引かれる思いがあり、次の行動を起こそうとする気持ちにストップがかかる。ひいては、時間が無駄になるだけなのだ。
お見合いから交際に入った時に、メールやLINEをしても返信が遅い相手、会うのが1カ月に1回程度というような動きの鈍い相手は、こちらから見切りをつけて、次の交際に進んだほうがいい。
結局、3回目のデートができないままにまた1カ月が過ぎた。
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