東京都が主導する「マッチングアプリ」の正体 「リーズナブル」「安全」「男女平等」が特徴

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街コンなど他の出会い方も交際経験がない人は利用経験が低い傾向がみられます。民間マッチングサービスは恋愛経験がある程度ある人に最適化され、モテる人がさらにモテるようになる仕組みと言えるでしょう。

民間マッチングサービスと違いは?

東京都マッチングアプリと民間マッチングサービスを比較(筆者作成)

東京都が民間のマッチングサービスを利用しない理由をユーザーにヒアリングしたところ、「不安」「料金が高い」「どう活用したらよいかよくわからない」などの声があったそうです。

東京都のマッチングアプリは、男女ともに独身証明書と収入を証明する書類の提出(源泉徴収票など)を義務付けています。

「独身証明書? 何それ?」と思う人がほとんどではないでしょうか。独身証明書とは、本籍地のある市区町村の役所・役場で取得できる公的書類で、郵送でも取得できます。取り寄せの場合、1週間ほど時間がかかるため、思い立った時に気軽に登録できるマッチングアプリとは大きく異なります。

都ではこれまでも独身証明書の提出が必須の未婚者の交流イベントを開催してきたそうですが、参加者からは独身証明書を提出するから安心という声があったそうです。

安全面に関しては結婚相談所に近いかもしれませんが、結婚相談所は年間利用額が数十万円もするため気軽に利用できるものではありません。東京都のマッチングアプリの料金はまだ未定とのことですが、同様のAIマッチングサービスを導入している埼玉県は、登録料が1万6000円で利用期限が2年間です。

民間サービスと比較するとリーズナブルで安全で男女平等です。ただし、エリアが限られ、首都圏広域で相手探しができるわけではありません。試しに利用して物足りなさを感じたら他のサービスと並行したり乗り換えてもよいのかもしれません。

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