世界の「サバ缶30種」食べ比べてみてわかったこと 日本は水煮が一般的だが、世界で多いのは

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あるとき気になって、全日本さば連合会(全さば連)のながさき一生氏と池田陽子氏とともに、世界のサバ缶を集めて食べ比べた。全さば連は、2013年に結成された団体だ。私もそれなりに世界のサバ缶を持っているつもりだったが、サバ好きお2人の収蔵品はそれを凌駕していた。

集まった缶詰は30種類あまり。日本の食材店で買ったものが大半で、一部海外で買ってきたものがある。並べてみると、缶詰の形状からしてもう違う。日本のは背の低い円筒型が一般的だけれど、アジアやアフリカでは缶コーヒーのような細長い円筒で、中にはトマト缶のような大きいものもある。ヨーロッパは、オイルサーディン缶のような平たくて四角いものが多い。

世界では水煮以上に「トマト煮」が多い

味付けは、形以上に驚きが多い。大きく分類すると、水煮・トマト煮・その他の3つに分けられるのだが、意外だったのは、世界では水煮以上にトマト煮が多いこと。

アジアにもアフリカにもヨーロッパにもサバトマト缶はあって、トマトバジル、チリトマト、にんにくトマトなどのバリエーションもある。青魚で臭みがあるうえに、生だと品質の低下が著しく早いから、トマトの強い味で覆い隠すのが都合がよいのだろうか。味噌煮と同じ発想だ。加えて、魚に含まれるうま味成分イノシン酸は、トマトのうま味成分グアニル酸とあわさって、うま味の相乗効果が期待できる。サバとトマトは案外相性がいいのだ。その他の味付けは、レモンバジル、ココナッツ煮など。いずれも香りの強いものが並ぶ。

さあ、いよいよ開封。缶を開けると、たとえ同じ「サバのトマト煮」でも、おそろしく多様な味と姿のバリエーションがあることに驚いた。いくつか、レビューしてみたい。

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