"久遠チョコ"バラ売りでヒットの意外なきっかけ 面白がってくれた百貨店のカリスマバイヤー

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たとえば、『久遠のはじまり。』は、6種類から始まったテリーヌチョコレートから3種をセレクト。『感じるカカオ』は、カカオの原産地が異なるビターな3種。

普段よく売れているのがベリー系のフレーバーだったことから生まれたのが、『苺はいつも裏切らない』。3種のストロベリーチョコレートをセットした。

バレンタインシーズンが受験シーズンと重なることからよく売れたのが『前を向き、頑張るあなたへ。』。覚醒作用が期待できるカカオ分が濃いテリーヌチョコレートと、脳の栄養となる糖分が高いテリーヌチョコレートを組み合わせたものだ。

お客さんとの会話が増えた

3枚セットにしても、僕が好きなお客さんたちとの会話は減ることなく、むしろ増えたぐらいだ。

『ジャンドゥーヤって??』は、ヘーゼルナッツペーストをミルクチョコレートに入れたイタリア生まれのお菓子ジャンドゥーヤの3枚セット。日本人にはまだ馴染みが薄いため、「ジャンドゥーヤというのはこういうお菓子なんですよ」と説明しながら、お客さんとの会話が弾む。

16種類のタイトルと組み合わせを考えたのは僕自身。お風呂のなかで考えるのが楽しくてワクワクしたものだ。

不思議なもので、バラ売りしていた時は一人3枚ほどの購入だったのが、3枚セットにしても、みなさん迷って結局3箱買い求めてくれた。結果、客単価が上がったのだった。大好評だったことから、バレンタイン催事だけではなく、現在は全国で通年販売する定番商品となった。

温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来
『温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来』(講談社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
夏目 浩次 久遠チョコレート代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なつめ ひろつぐ / Hirotsugu Natsume

1977年、愛知県豊橋市生まれ。大学・大学院でバリアフリー都市計画を学ぶ。2003年、豊橋市において、障がい者雇用と低賃金からの脱却を目指すパン工房を開業。より多くの雇用を生み出すため2014年、久遠チョコレートを立ち上げ、わずか10年で60拠点に拡大。「凸凹ある誰もが活躍し、稼げる社会」を目標に障がい者をはじめ、生きづらさを抱える多くの人々の就労促進を図りながら美味しいチョコレート作りに奮闘する。第2回ジャパンSDG’sアワードにて、内閣官房長官賞を受賞。著書に『温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来』(講談社)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事