「関西風おでん」食べる人が知らない驚きの歴史 薄味が特徴だが、昔は真っ黒で濃い味だった
私が子供の頃、数十年前の東京のおでんといえば、醤油で真っ黒に煮染めたものでした。
一方、現在の東京におけるコンビニなどのおでんは、薄味の関西風おでんが主流を占めています。
そんな中、昔風の真っ黒なおでんの伝統を守っているのが、大正時代創業の「銀座お多幸」。
ところがおでんの歴史を研究している新井由己の『日本全国おでん物語』によると、お多幸の創業者は元々神戸に在住しており、現在のおでんも昆布と薄口醤油を使用したおでんなのだそうです。
かつては真っ黒だった関西のおでん
「関東煮(かんとだき)」とよばれていた関西のおでんは、かつては東京のそれと同じく、真っ黒で濃い味でした。
新井由己によると、大阪の老舗「たこ梅」も甘辛の濃い味。大正時代生まれの大阪の人に聞くと、かつての家庭の関東煮もやはり「たこ梅」のような甘辛味だったそうです。
私が調べた戦前の大阪生まれの人々の証言においても、かつての関東煮は真っ黒で濃い味でした。
1923年大阪生まれの詩人・牧羊子の証言です。


















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