外国人絶賛、北朝鮮で大人気の地ビールとは 日韓の「有名ブランド」にも負けていない?

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リ技師長によれば、欧州人にはアルコール度数5%のもの、中国人などアジア人は、度数3~4%のものを好む傾向があるという。また、白米を100%使用しアルコール度数が4%のものは味がまろやかで、女性たちが特に好んで飲んでくれると打ち明ける。

カフェも平壌に登場

価格は、ビアホールなどで売られる生ビールは1杯1米ドル程度。ホテルの売店や外貨ショップで販売されている中瓶1本は0.6~0.7米ドル程度で売られている。また、ビールの番号で価格差もあり、国営百貨店では95~140北朝鮮ウォン(公定レート、1ウォン=約1円未満)で販売されているようだ。

7種類ある大同江ビールのそれぞれの特性を書いた案内板。アルコール度数も4.5%から6%まで、原料も麦芽100%から白米を使用したものまでさまざまだ

金正恩政権になってから、平壌では経済の緩やかな回復とともに外食文化が徐々に浸透。

夕方になると商店やレストランなどでビールを片手に和気藹々と食事をする市民の姿も日常茶飯事になった。

また、これまで女性が外で酒を飲む姿はほとんどなかったが、今では男性に混じってビールを飲む姿も目立つようになってきている。

ビールだけでなく、本格的なコーヒーを出すカフェやネイルサロンなどもオープン。これらは平壌だけでなく、地方にも広がりつつある。なかなか解決できない電力難が営業に支障を来しているという情報もあるが、市民たちはそれでもやりくりしつつ、北朝鮮にこれまでにない消費生活を楽しもうとしてるのは間違いない。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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