特に、「安倍晋三という“大看板”によって自民の保守回帰路線を主導」(同)してきた同派がなくなることについては、「今後の憲法改正や皇位継承をめぐる議論の変質、混乱につながる」(閣僚経験者)と不安視する声も多い。
福田達夫氏の「新集団」論がネットで大炎上
そうした中、清和会を創設した福田赳夫元首相(故人)の孫で安倍派所属だった福田達夫元総務会長は19日、派内の若手有志と意見交換したうえで記者団に「反省の上に、派閥ではなく、新しいガバナンスの形で新しい集団をつくっていくことが大事だ」と述べ、安倍派解散を受けて新たな集団をつくる考えを示し、波紋を広げた。
故福田元首相は「派閥解消」を持論として政権を獲得した実力者だけに、政界では「祖父の心、孫知らず」と揶揄する声もあり、ネット上でも「トンチンカン男!」「人はそれを偽装解散という!」などと批判の声が渦巻き、一時「福田達夫」がトレンド上位となった。
そうした状況を受け、21日午前のNHK番組「日曜討論」では、26日の通常国会召集をにらみ、与野各党の幹事長級が「政治とカネ」をめぐる問題を中心に意見を戦わせた。その中で自民・茂木氏は派閥の在り方について「党主導で抜本的な是正策を取っていきたい」と強調し、「派閥の存在を前提としない」とも語ったが、茂木派の存廃への言及は避けた。
これに対し、岡田克也・立憲民主幹事長は、政党から政治家個人に寄付される政策活動費について、「非常に不透明なもので禁止すべきだ」と主張し、藤田文武・日本維新の会幹事長や小池晃・共産党書記局長もこれに同調。茂木氏は「政党助成金も含めて議論すべきだ」と応戦した。こうした論議も踏まえ、自民党政治刷新本部は25日にも「中間とりまとめ」を決定する方針で、その焦点は「派閥の在り方よりも政治資金規正法の抜本改正にどこまで踏み込むか」(自民若手)に絞られる見通しだ。
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