アイドルが断言「TikTokは冒頭0.1秒が勝負」の訳 八木沙季が教える「オチ」まで心をつかむ方法

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八木沙季の「検証します!」動画は、今や彼女の代名詞だ。

コロナ禍でひらめいたアイデアが原点となったが、バズったのはけっして偶然ではない。そう思えるのは、彼女自身によるショート動画のセオリーを聞いたからだ。

ユーザーを「最後のオチ」まで惹きつける

TikTokの動画は「最初で心をつかめるかどうか」による。日本で流行しはじめた当初は“開始3秒”の定説もささやかれたが、今は「開始0.1秒」と彼女は実感する。

TikTokでバズるきっかけとなった動画の定番「検証します!」ポーズで(撮影:梅谷秀司)

そして、動画の構成にもこだわりがある。よく表れているのは、代名詞の「検証します!」動画と共に精力的にアップするダンス動画だ。

撮影時はやや引いた位置にカメラを設置、動画内では自身が踊る頭上に空間が生まれる画角を保つ。

空間に挿入するのは「過去にあった面白エピソード、失敗エピソード」のテキストだ。人が「瞬時に読めるスピードの文字数」も意識して、曲の終盤でエピソードの「オチ」を見せる。

@yagi_shaki 嘘ついてごめんなさい あ、荒野行動大好き民です #えなこダンス #荒野行動 #henceforth #踊ってみた とともに #テキストネタ #おすすめ #おすすめにのりたい ​♬​ オリジナル楽曲 - アート - __ke

ダンス動画をアップした当初は、メロディへたどり着くまでの前奏が長い曲で「何をしようか」と試行錯誤。

映像内の空間で「壁に貼った紙に何かを書いて踊り出し、最後にオチを見せる」という動画をアップしたところ再生数が伸び、ユーザーは「最後のオチが気になる動画が見たいんや」と気がついた。

地道な分析は、やがて「検証します!」動画のフォーマットにも繋がった。

とはいえ、いわば“あるあるネタ”には限界もありそうだが、コメントを介したユーザーからのアイデアもありネタのストックは「200近くある」と豪語。時折来る「ネタ切れ乙」のコメントにも動じず、その表情は明るい。

結婚願望もありながら、30代は「仕事もプライベートも充実させたい」と意気込む(撮影:梅谷秀司)

ソロアイドルとして「上半期女性タレントの出演数ランキング」で上位に入るほど「売れたい」と口にする一方、フォロワー数70万人超を抱えるTikTokでもいまだ貪欲だ。

30歳となった現在では「100万人以上に支持される10代の子」にかなわないと、危機感も募らせる。

それでも、フォロワー数50万人以上のユーザーは上位1%とささやかれるTikTok界で、広く支持を集めたのは事実。

今なお重ねる努力で近い将来、誰もが知る“八木沙季”になる日を待ちわびてやまない。

カネコ シュウヘイ 編集者・ライター

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Shuhei Kaneko

1983年11月8日生まれ。埼玉県出身。編集者・ライター。成城大学文芸学部卒。20代後半に自動車系雑誌の編集プロダクションから独立。以降、フリーランスとして活動を続ける。ライブへ月4〜5回通うほど根っからのアイドル好きが講じて、2014年頃からはエンターテインメント分野を中心に、取材・執筆へ尽力する。雑誌、Web、書籍と媒体は問わず。ブックライターも担う。

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