金融庁、損保ジャパンに「激甘行政処分」の舞台裏 構造問題への切り込みを先送りにした「怠慢」

✎ 1〜 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 29 ✎ 30
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なぜなら、東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険の2社が同じ時期に金融庁へ、損保ジャパンが不正請求を黙認し単独で入庫再開している状況を逐一報告し、対応を働きかけていたからだ。

2社の報告を受けて、金融庁が早期に損保ジャパンに改めてヒアリングし、調査などの対応に乗り出していれば、ここまで問題が長引くことはなかった。ましてや、カルテル問題と同時並行での対応を迫られることもなかったはずだ。

業務停止にしない理屈付けより先にすべきこと

保険会社が虚偽報告をしようが、不正請求の隠蔽に加担しようが、業務停止にはしないという前例をつくってしまった金融庁。上層部からはマスコミ対策として、「業務停止をしない理屈をしっかりと考えておけ」と指示が飛んでいるという。

だが、理屈付けに頭をひねっている暇があるのであれば、手始めに水増し請求をした自動車ディーラーにヒアリング調査し、いかに深く根差した構造問題であるか実態を見てみてはどうだろうか。

中村 正毅 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事