11時30分には全員が集まり、雑談をしていた。ハワードはなにも言わずに僕らのほうを見ている。僕らはハワードの視線に気がつき、彼に注目して雑談をストップした。
「OK。スタートできるか?(OK, can we start?)」。ハワードは僕らに質問をした。
この場に限らず、彼のコーチング・スタイルは、僕らの仕事は僕らにさせて、あとは質問をするといった具合だ。
会議をオンタイムでスタートするのは当たり前だが、司会者がいちいち「時間になったので、みなさん静かにしてください。では始めましょう」と言ったりしない。
彼のコーチングでは、時間どおりに会議がスタートできる状態(司会者に注目が集まっていて、次のステップがすぐ踏める)をつくるのは、参加者の仕事にしている。コーチは、①リクエスト、②それができる雰囲気づくり、③確認の質問をしているだけなのだ。
次は問題点や懸念を書いてください
僕らが会議をスタートする準備が完了している、すなわちほかの会話がストップし、会議の司会者に全員注目していることを確認した彼は、続けて言った。
「では次の質問は『会社全体そしてマネジメントチームとして直面しているチャレンジに関して、どんな問題点や懸念があるか。最も重要と思うことを2、3個書いてください」
――おう、これはたくさんある。
・資金が足りない
・現行の製品が売れていない
・次の製品のプランがない
……といった感じだった。
これも全員が紙に書き、3回りほどで全員が自分の感じていることをすべて発表することになった。
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