東大生解説「共通テスト英語」過去イチ難しい衝撃 SNS上でも英語難化の声、なぜ難しかったのか?
去年までの共通テストと比べても、分量が大きく増加しています。2021年度の第1回共通テストでは「約5500語」で、2022年度・2023年度も「約6000語」。それでも悲鳴を上げる受験生たちが多かったことを考えると、そこからさらに分量が増えた今回の入試の平均点は、例年と比べて大きく低くなることが予想されます。実際、われわれが教えている受験生たちも、いつもよりも英語リーディングの点数が低かった人が大半です。
東大生たちも、「時間内に解けなくはないけれど、全部読もうとしたら本当に時間がなくなる」「1~2問は(時間がかかるから)捨てて、次の問題に進んだ」「受験生時代に解いていたとしても、かなり低い点数になっていただろう」との感想がありました。
さらに、難しくなっているのは分量だけではありません。その中身の難易度も大きく向上しています。
受験生たちを苦しめたのが、第5問でした。『魔の第5問』とでも呼ぶべき凶悪な難易度の問題であり、例年とは違った傾向のある問題でした。
まず、例年の第5問の構成は「2ページの英語の文章」+「1ページのその英文に関わるノート」+「問題」だったのですが、このうち英語の文章のページが3ページに増加。
中身も難化している
SNSでは「2ページで終わりだと思ったらもう1ページあって絶望した」というコメントが散見されました。そのうえ、問題の内容もかなり難しかったです。英単語のレベル自体はそこまで高くはなっていないのですが、問題はその中身です。
毎年の問題形式で言えば、第5問は数年前から変わらず、エッセイ風の文章を課して答えを求めるという問題でした。
ですが、今回課された問題文はほとんど英語の小説と言っていい内容の文章であり、その問題も、国語の小説問題であるかのような問いが多かったです。
例えば、今回は「Interpretation of key moments」、つまり「ストーリー上重要なシーンの解釈を求める問題」が出題されました。
「なぜここで2人は押し黙ったのでしょうか?考えられる選択肢4つのうちから1つ選びなさい」といった問題や、「なぜカスミは『皮肉』という言葉を使ったのでしょうか?4つのうちから1つ選びなさい」といった問題が出題されていました。
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