避難所に「ペットと同伴」の必要性を改めて考える 同伴避難に取り組む地域もあるが、課題は多い

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愛知県犬山市は以前から同伴避難を受け入れていましたが、ペットと飼い主は別々の部屋で避難生活を送っていました。2022年12月からは市内33カ所の市指定避難所のうち3カ所で、ペットと飼い主が一緒に過ごせる「同室避難」の受け入れを開始しています。

名称を「同室避難」としたのは、ペットと一緒に過ごせることを強調するためで、ペットと飼い主は専用ルームで、他の被災者とは別に過ごすことになります。ただし、ペットは放し飼いにせず、ケージに入れるよう求めています。

そのほか、広島県尾道市でも2019年7月から、市内の指定避難所のうち5カ所をペットの同伴避難を受け入れる避難所としています。

福岡県北九州市では2023年8月に、同伴避難が可能な専用避難所を試行的に設置し、その効果を検証すると公表しました。対象は「飼い主が近くにいないと飼い犬が吠え続ける、周囲への影響が気になる等、ペットがいることによって最寄りの避難所への避難が難しい市民」です。試行期間は2023年度中で、夜宮青少年センターに40区画用意され、検証が行われています。

自分の住んでいる地域の自治体が同伴避難の受け入れをしているかどうかは、自治体のホームページで確認できますが、ページが多く見つけるのが難しいという難点があります。その場合、サイト内の検索機能で「同行避難」「同伴避難」などのキーワードで検索をすると関連ページが表示されます。見つからない場合には、自治体に直接問い合わせてみましょう。

民間に広がる災害動物支援活動

民間でも災害発生時に飼い主とペットを受け入れる施設が増えています。

学校法人昭徳学園九州動物学院併設竜之介動物病院では、熊本地震の際にペットを連れた被災者を受け入れ、一時は300人を超える人たちの避難所として活動しました。2021年5月には熊本市と災害時の連携協定を締結し、2022年9月の台風襲来時にも避難所として活動しています。

NPO法人人と動物の共生センターとNPO法人全国動物避難所協会が協力して運営している「うちトコ動物避難所マップ」は、家(うち)からトコトコ歩いて行ける近くの場所に、動物避難所が当たり前のようにある社会を目指して、動物避難所をマッピングしているWEBサイトです。

登録されている避難所は、現時点で18件と少ないですが、協力する事業者が増えていけば自治体との連携も可能だと筆者は考えます。

うちトコ動物避難所マップはこちら
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