レシピ考案から合コンまで!進化するAI 奇想天外だけど意外といい

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わがままを言って、日本語ラップにも精通する真鍋さんのAIで、ラップの歌詞を作りおろしてもらった。お題は本誌先週号の記事タイトル「イケダンには細身の白パン」。出来上がったのは……。

「イケダンには細身の白パン/粋がんなおやすみヘブン/捨てた時期に判断/イカサマ好きの三島/判断既に独りの快感/追いつかんスリーピー火加減」

天才です。

そして最後に交流を試みたのは恋愛もののAI。最近話題の、AIとコラボした合コン「人工知能コン」で使われているAIだ。東京大学在学中に自身の会社「Chotchy(チョッチィ)」を設立した海鋒(かいほこ)健太さんがプログラムしている。

高望みしないのが極意

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(イラスト/土井ラブ平)

AIの後押しで、カップルになる率30%以上。そう聞いて、要は相性占い的なAIね、と思ったが、それは昭和の発想だった。本当なら合コンに参加して体験したいところだけど、いきなり中年が参加してAIが壊れてもいけない。ここは海鋒さん直々に解説してもらう。

人工知能コンが普通の合コンと違うのは、合コン中にスマホで気になる相手のプロフィールをチェックできたり、気に入った相手を「お気に入り」に入れられるところ。AIは、プロフィールにある趣味や、誰が誰のプロフィルをどれだけ見たかといった情報から、「うまくいきそうな相手」をリアルタイムでリストアップ。参加者はスマホでAIの予測をチェックしつつ、効率的なアタックができる。

「とくに男性は、合コンで相手をひとりに絞れないという人が多く、AIのサジェスチョンがひとつのきっかけになっているようです。アンケートを取ると、AIにサジェストされた相手は、自分のなかでも点数が高かったという声も多いです」

てことは、将来は占師の失業か。いやそれより、問題はその「うまくいきそうな相手」をAIが見つける仕組みだ。グーグルが検索結果を出すときなどにも使われる、ランク付けのアルゴリズムを応用。どれだけ人気があるかなどで参加者をランク付けして、マッチングの材料としているらしい。して、AIから学んだ、合コンの極意は?

「AIがサジェスチョンするのは、同じランクの人。のべで250人くらいが人工知能コンに参加していますが、中くらいのランクにいる人が、同じ中くらいのランクの人とカップルになる確率が高いです。極意は、そうですね、高望みしないということでしょうか」

そもそもは、異業種交流会に参加してもただの名刺交換会で終わることが多い、という海鋒さんの経験が開発のきっかけ。コンピューターの力で人と人の交流をもっと活発にできないかと、マッチング系のAIを開発するようになった。将来は人材評価システムへの応用なども考えている。

人よりすごい料理を考え、人よりすごい言葉をつむぎ、おまけに恋人選びにまで、一言も二言もあるらしいAI。張り合うなんて、めっそうもない。AI様、一生ついていきます!

(ライター・福光恵)

※AERA 2015年6月15日増大号

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