中国とインドで始まっているAIによる「仕事消滅」 不況ではないのに人間がやる仕事が減っている
たとえばいずれ、営業会議ではAIがリアルタイムで議事録を文字起こしするようになるでしょう。さらには、会議が紛糾したら、そこでいったんChatGPT(現在の最新バージョンであるGPT‒4からGPT‒8ぐらいになっているかもしれません)に、「ここまでの議論、どのように意見が対立しているのか要約して」と言えば、何が論点で、どこで意見が分かれているかをAIがまとめてくれるかもしれません。これまでの不毛な議論の時間は一気に消滅するでしょう。
また、数年後の経営コンサルタントは、ChatGPTに向かって以下のような質問入力を繰り返すことになりそうです。
「A社をとりまく経営環境をざっくりと整理してほしい」
「A社のX事業の競争相手となる主要企業を挙げてくれ」
「それら主要企業について強み、弱み、現在の戦略をそれぞれ整理して」
「X事業の競争環境を変化させる要因について重要なものを5つ説明して。新技術、消費者の変化、海外企業の参入、原材料の入手経路などどのような要因でもいいので」
6カ月のプロセスが数週間に短縮
こういった質問をChatGPTの有料版AIであるGPT‒4につぎつぎと投げかけていけば、それまでコンサルティングファームの中で5~6人のチームが数カ月かけていた基本分析は、極めて短時間でAIが代わりにやってくれることになります。その頃には音声入力を用いることで、対話形式でこのやり取りができるようになるでしょう。
そうなると、コンサルタントと、クライアントである大企業の経営者はともに、これらAIが生成した「現状分析と課題」のレポートに目を通したうえで、初日から「じゃあどうすればわが社は生き残れるのだろうか?」といった具体的な議論に入れます。このイノベーションは、それまで6カ月かかっていた経営戦略策定のプロセスを数週間に短縮してくれることでしょう。
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