しかし、考えてもみてください。
スマホ社会にどっぷり浸かって育った若者たちは、活字のシャワーを浴びることが少なく、生の(生きた)会話も苦手とあって、体内に語彙(ごい)の蓄積が多くありません。
一方、どちらかと言えば人肌の温もりを好むアナログ世代の年配者たちは、活字にも親しんでおり豊富に言葉を持っています。
この両者が話すとき、おかしなチグハグ感が生まれていることに、どれだけの人が気づいているでしょうか。
いま一度、見つめ直したい日本語
もしも今日、兄弟げんかの仲裁に入った母親の一言「以前あんなにお灸(きゅう)を据えたのに、懲りてないわねぇ」が、彼らの頭に「?」しか残さないとしたら――。
また、両親揃ってわが子を励ますつもりの「このままではうだつが上がらないぞ」とか「大企業に入れば左うちわだから」……とかが、ただの意味不明語になってしまっているとしたら――。
いずれにせよ、「おつり」という言葉すら消えようとしている現状を知るに至っては、ひとり一人が自ら口にする日本語(年季の入っている言葉はなおのこと)を、いま一度、改めて見つめ直す必要があるのかもしれません。
【若者が戸惑う言葉:確認クイズ】
問:それぞれの言葉の、意味は何でしょう?
② 「大風呂敷を広げる」
③ 「重箱の隅をつつく」
④ 「袖の下」
⑤ 「算盤(そろばん)が合う」
⑥ 「二足の草鞋(わらじ)をはく」
⑦ 「腰巾着(こしぎんちゃく)」
⑧ 「ちゃぶ台をひっくり返す」 (※答えは、記事の最後に)
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