北海道民が熱狂「行列ができる」2つのチョコ菓子 百貨店と空港でそれぞれ話題の菓子を追った

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菓子メーカーが自社で放牧酪農場を持つのはめずらしく、長沼さんによれば、日本の酪農全体でも放牧を行うのは1%程度だという。スノーの商品には冬の放牧牛乳だけを使うため、冬限定販売となるわけだ。

スノーサンド
「スノーサンド 白」(左)「スノーサンド 黒」(右)のパッケージ。各8個入り1728円(税込)(写真:筆者撮影)

パッケージには、版画家の大谷一良さんによる作品を起用した。長沼さん自身がブランドにふさわしい、と直感し、直々に大谷さんの家族に願い出たという。山の冬景色のデザインが絵本のようで、北海道らしい。

北海道にある「王道」チョコ菓子

北海道には王道ともいえるチョコ菓子がある。1976年に登場した白い恋人、1968年に日本で初めてホワイトチョコレートを製造・販売したとされる六花亭のチョコレート、1999年頃にはロイズが生チョコブームの火付け役となった。

「20年ほど、新しい北海道を代表するお菓子が生まれていない。北海道を代表するお菓子ブランドといえば、と真っ先に思い出していただけるようにと、明確に考えています」(スノーの長沼さん)。「おいしいからリピートしています、というお客さまの声をいつまでもいただけるブランドを目指します」(スノーチーズの村山さん)。

似ているので、もう一度まとめると「スノーチーズ」は大丸札幌店に常設店があり、「スノー」は新千歳空港内で冬に販売。どちらも、県外でポップアップ出店すると「なかなか買えない」と話題になるレベルの長い行列ができる。バレンタインシーズンには、両ブランドともに、名古屋、大阪などの百貨店催事に出店予定なので、話題となりそうだ。

一過性のブームで終わらない、北海道の菓子を目指す両ブランド。次世代につながる北海道チョコ菓子の王道となるだろうか。

市川 歩美 チョコレートジャーナリスト/ジャーナリスト

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いちかわ あゆみ / Ayumi Ichikawa

大学卒業後、民間放送局に入社、その後NHKで、長年ディレクターとして番組企画・制作に携わる。現在はチョコレートを主なテーマとするジャーナリストとして、日本国内、カカオ生産地などの各地を取材し、情報サイト、TV、ラジオなど多くのメディアで情報発信をしている。チョコレートの魅力を広く伝えるコーディネーターとしても活動。商品の監修や開発にもかかわる。

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