渋谷・原宿で「メタバース」が盛り上がったワケ 音楽フェスのような熱気が、そこにはあった

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竹下通りは自分の好きと思うことに一途な人が集まる場でもあるが、メタバースもそういう側面がある。現実の自分とは違った好きな姿になれることが気に入って、毎日何時間もアクセスしている人がいる。

相性が良い、どころではない。思想の方向性が同一と思えてくる。

アイドル、声優、マンガやアニメとのコラボも積極的に行ってきたビームス。2020年からはメタバースの取り組みも進めてきた(筆者撮影)

明治通りにあるビームス原宿の3階フロアも「バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ」の会場の1つとなっていた。ビームスは長らくメタバース側のバーチャルマーケットに出展を続けており、現実で販売するアパレルと同デザインのバーチャルファッションも提供している。そのファッションで訪れていた人もいた。

バーチャルの住民が渋谷と原宿を回遊

キャットストリート近くにあるイベントスペースでは、クリエーターカルチャーというテーマで個人クリエーターやサークルの作品が展示されていた (筆者撮影)

古民家イベントスペースのUNKNOWN HARAJUKUも「バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ」色に染められていた。込み入った場所にあるスペースだが、手元のスマートフォンの地図を見ながらこの場所を探し出し、原宿側からも渋谷側からも次々と人が押し寄せてきた。オリエンテーリングの要素もあり、2つの街に点在した会場をすべて巡る人も多かったと思われる。

X(Twitter)を見ると、苦手意識もあり、渋谷も原宿も一生行くことがないと思っていた人も多いようだった。しかし大半は「行ってよかった」というポジティブな感想を紡いでおり、「バーチャルマーケット2023リアルinシブハラ」がバーチャルと現実の街との接点として機能したことを証明していた。

休憩スポットのコラボ飲食店は混み合い、ほかの飲食店には入りづらかったのだろうか、一部の会場の近くで立ち止まってたむろしてしまう人を多く見かけた。主催者側が休憩スペースを用意するというのは現実的ではないが、周囲から苦情がくるのではないかと心配になる。

非公式の形でも地元のコミュニティーや、会場近くに住むユーザーと協力しあって、エリア全体のガイドとなるような、るるぶバーチャルマーケットリアルのようなコンテンツが欲しいとは感じたが、観光振興策として注目されそうな結果になったのではと感じる。

次回はどの都市で開催されるのだろうか。そしてメタバースからどれだけの人が現実空間の観光を楽しむようになるのか、今から楽しみにしたい。

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武者 良太 フリーライター

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むしゃ りょうた / Ryota Musha

1971年生まれのガジェットライター。90年代に出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。スマートフォン、モビリティ、AI、ITビジネスからフードテックなど、ハードウェアレビューから、ガジェット・テクノロジー市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。

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