そして、検索エンジンなどの自社サービスにアクセスするユーザーが増加することとなり、グーグルのビジネスはさらに拡大。これと同時に、今まで各国の許認可制度によって守られていた通信キャリアのビジネスを骨抜きにしてしまう。
MVNOで通信キャリアのビジネスを侵食し、インターネット気球によってキャリアのビジネスを骨抜きにするグーグル。10年後には間違いなく、通信キャリアの巨大な脅威になっているだろう。
これ以外にも、以前から熱い視線を集めているプロジェクトのひとつが、グーグルが手がける自動運転カー。先日、これに関して、『Googleの自動運転カー、公道での270万キロ走行で11件の“もらい事故”』(ITmedia ニュース)という報道があった。走行距離270万キロメートルで事故はわずか11件。かつ、そのすべてがもらい事故という言葉が示すのは、何と言っても自動運転の性能のよさだろう。
一方で、グーグルはバッテリーの分野にも目をつけている。『米グーグルがバッテリー技術を自社で開発中 応用分野はウエアラブル、医療、通信など広範』(JBPRESS)。家庭用大型バッテリーを発表したテスラしかり、彼らは「バッテリーが世界のエネルギー事情を変えること」を十分に理解し実行している。
シリコンバレーの「ガーディアン」
そんななか、日本国内に目を向けると大手自動車メーカーは水素を利用した燃料電池車に注力。規制で守られ続ける日本では一定の普及が進むかもしれないが、将来的に世界の自動車業界を牽引していくのは過去の自動車産業の延長線上でモノを考えていないグーグルやテスラのような企業になっていくだろう。
そんなテスラはグーグルに身売り寸前だったそうだ。『グーグルに身売り寸前だったテスラ―新刊本が暴露』(ウォール・ストリート・ジャーナル)。この話題が示すのは、グーグルが「シリコンバレーのガーディアン(守護人)」として貢献していること。
グーグルはイノベーティブな技術やサービスに対する投資を惜しまない。これは、間違いなくシリコンバレーにおいてイノベーションの好循環の原動力になっている。革新的なサービスや技術を開発する起業家には、「経営が失敗してもグーグルが最後の最後に助けてくれるかもしれない」と思っている人もいるはずだ。
一方で、グーグル出身者が次なるイノベーションや大きなプロジェクトの仕掛け人にもなっている。ヤフーのCEOであるメリッサ・マイヤー氏やソフトバンクの孫社長が後継者に使命したニケシュ・アローラ氏もグーグルが排出した人材。『孫社長、“後継者”に元Google幹部アローラ氏を指名「世界のソフトバンクに」 海外ネット企業に集中投資へ』(ITmedia ニュース)。
グーグルは創業17年もかかわらず、世界中の企業に対して人材供給源にもなっている。『ウーバー、グーグルの広報責任者を引き抜き』(ウォール・ストリート・ジャーナル)。これは「すごい企業」ということの何よりの証しだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら