まずは「すごいグーグル」と言えるニュースをいくつか紹介する。かねて噂されていたグーグルの“MVNO事業”への参入。4月22日に「Project Fi」というプロジェクト名とその内容が明らかになった。『Google、北米でMVNOに参入―通話とIMが月20ドル、データが1ギガバイト10ドル』(TechCrunch Japan)。
月額20ドルの基本プランとデータ通信が1ギガバイトあたり10ドル。現在は、アメリカ国内で『Nexus 6』のみ利用できるとのことだが、今後、対応デバイスや地域は確実に広がっていくだろう。
「インターネット気球」で何をする?
そして、このMVNOは将来的にグーグルの基幹ビジネスになる可能性があると言える。今、世界中の通信キャリアは巨額の利益をたたき出し、マーケティング費用やオペレーションコストが高いにもかかわらず、利益率は20%を超えている。この分野にグーグルが参入するとどのような変化が起きるだろうか?
グーグルのビジネスモデルは「広告収入」。ゆえに、MVNOで大きな利益を出す必要はなく、大幅な値下げが可能となる。これによって起こりえるのは、MVNOの爆発的な普及、そして通信キャリアの「最後の砦」とも言える通信トラフィック収入の著しい減少だ。つまり、世界中の通信キャリアが完全に土管化していくであろう。
グーグルが参入する通信ビジネスで、もうひとつ注目のプロジェクトが存在する。成層圏のインターネット気球を利用した『グーグル「Project Loon」、「iOS」デバイスにもネット接続を提供へ』(CNET Japan)だ。気球による通信は安定性が高い。このため、通信環境が整っていない発展途上国へもインターネットアクセスを提供することが可能となる。
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