国大法改正「立法事実の公文書なし」が深刻な理由 国会軽視、立法の基本をないがしろにする行為

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「審議が終わってから公文書を作成するつもりだった」という大臣答弁は、国会での審議を軽視している姿勢の表れと批判されても仕方がない(記者撮影)

そうした事態を防ぐためには、先にきちんと立法事実を整理する手順を遵守する。そして、適切なプロセスで進めた証拠として議事録を、時系列を改ざんできない形の公文書として残す。今回の改正法の原案作成過程では、こうした基本がないがしろにされていた。

立法事実の妥当性を審議できない

また、立法の妥当性を審議するのが立法府たる国会の役割だが、立法事実の過程を示す公文書がなければ、適切に審議をすることはできない。盛山大臣の「審議が終わってから公文書をまとめるつもりだった」という答弁は、国会の審議を軽視したと取られても仕方がない。

改正法を所管する文科省高等教育局の国立大学法人支援課に、上述の問題点について見解を問うた。担当者は「ご指摘はその通り。(原案策定の)過程を残すという意識が弱かった」と認めつつ「ただ、意図的に残さなかったというわけではない」と釈明した。

国のルールを決める立法のプロセスで大きな欠陥があったことは、イチ法案の手続き上の不備で済ましていい問題なのだろうか。

奥田 貫 東洋経済 記者

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おくだ とおる / Toru Okuda

神奈川県横浜市出身。横浜緑ヶ丘高校、早稲田大学法学部卒業後、朝日新聞社に入り経済部で民間企業や省庁などの取材を担当。2018年1月に東洋経済新報社に入社。

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