小学校受験に「落ちる子」「受かる子」の決定的差 指導者からみると「一目瞭然の違い」がある
「紙をちぎる」もしばしば出題されます。紙を「ちぎる」のが苦手な子どもは、案外多いものです。「ちぎる」は、両手の親指と人差し指で、紙をつまんで、右手と左手の親指がくっついた状態のまま、用紙を分ける作業です。初めは右手と左手が離れてしまって、勢いよく「やぶる」になってしまいます。
描かれた線に沿って「ちぎる」場合には、線に沿って指を少しずつ移動していく慎重さ、画用紙などの厚い紙の場合には、指先にしっかりと力を入れる必要があります。集中力と根気が必要です。
入試問題になるのは、最後までやりとげる根気を見るため? 線に沿ってちぎり続ける慎重さを見るため? 指先が自分の思うように使えることでさまざまな作業がスピーディにできる可能性があり、知能も発達しているから? 文字を書くのには、指先の力が必要だから? 実は、そのどれもが当てはまります。だから、よく出題されるというわけです。
直線→曲線のようにだんだん難しくして
家で練習するなら、まずは直線から。紙を折って折り目をつけ、その線に沿ってちぎりやすくします。自宅に、お裁縫で使用するルレットがあれば、それを使って切り取りやすくします(切手の切り目のように点線状に穴が開けられます)。それを「ちぎる」のは、1歳の子どもでもできます。
次に曲線に挑戦。やはりルレットで切り取りやすくして、プチプチと、穴を1つずつつなげていくようにちぎります。だんだん、紙の厚さを厚くし、線も複雑にしていきます。子どもの喜びそうな動物などの絵柄にするのも長続きのコツです。
合格する子どもから感じる特徴
「輪つなぎ」、「輪ゴム」を使う、「紙をちぎる」はそれぞれ遊びや日常生活の中に取り入れることができますし、受験に向けて練習をすれば、上達していくものです。ですが、幼児教室の模擬テストの結果でいつも上位にいた子どもが不合格で、そうではない子どもが合格ということも、よくあるのです。
指導者から見たときに「この子をぜひ、教えたい」「この先、この子がどんなふうに成長するのか楽しみだ」「お友だちと協力して、意欲的にものごとを進められる子だ」「ほがらかで前向きに考えていける子だ」「愛されて育てられている」。そんなふうに思える子どもがいます。そして、実際に狭き門を通過していきます。
家庭の空気が合格させたい子どもを作る
そんな子どもたちから共通して感じとれるのは、子どもらしい思いや行動を認めてもらってきたからこそ身についている自信、無意識な自己肯定感や伸びしろです。そういうものを学校側は見定めているのではないかと思います。
それらを支えているのは、親の日ごろの接し方。笑いがたえない仲が良い家族、他人のために汗をかくことをいとわない家族、素直な気持ちでうそのない会話ができている家族。そんな家庭の空気が子どもに反映します。
ペーパーテストで測れることも大事なことではありますが、それだけで決まるのではないのが、小学校受験。
受験にトライするかは、各家庭の判断ですが、あいまいに見える判定にもしっかりした根拠があり、それは受験だけではなく、子どもの一生の土台になるものだと思います。
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