小学校受験に「落ちる子」「受かる子」の決定的差 指導者からみると「一目瞭然の違い」がある

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実際に子どもにやってもらうと、いかにそれが幼児にとっては難しいことかがわかります。3色の折り紙はズレないように重ねたままで折って、切ります。折り紙を1枚ずつ切っていては、折って切るだけで5分かかってしまう子もいるでしょう。

8等分に切るため、重なりがズレてしまうと、とても細い短冊になってしまいます。切った折り紙は、それぞれの色ごとにまとめて置いておかないと、輪つなぎのときにスムーズに折り紙を取ることができません。輪にした紙にのりをつけますが、のりが少ないと途中ではがれてしまいますし、のりをつけすぎてもはがれてしまうことがあります。

たかが輪つなぎ、されど輪つなぎ。シンプルですが、奥が深いものです。

輪ゴムを使う問題ではどんなことを見ているのか

生活面の自立度合いを見る「輪ゴム」使い

「輪ゴム」を使う問題もよく出ます。昭和の時代にはよく「輪ゴム」を使っていましたが、最近はテープやクリップ、ワイヤーリボンなど、おしゃれなものが多く出回って、あまり輪ゴムが身近ではなくなっているように思います。

そんな輪ゴムですが、小学校入試では「輪つなぎ」と同じく「巧緻性」の分野を見るためによく登場します。「画用紙を丸めて輪ゴムで留める」「5~6本の色鉛筆を輪ゴムでまとめる」など。

伸び縮みするゴムをうまく片手の指で扱いながら、まとめる紙や色鉛筆をもう片方の手で持っていなければなりません。大人には簡単なことですが、初めての子どもには、なかなか大変なことなのです。

「ゴムつなぎをする」という課題もあります。ゴムつなぎとは、昭和の時代に「ゴム跳び」に使ったゴムのように輪ゴムをつないで長くしていくもので、数秒間で何個つなげられるかを競います。輪ゴムを上手に扱えるかどうかで、その子の手先の器用さや、生活の場面での自立度合いを見ているのです。

図形感覚を養えるパターンボード

また、図形的な課題では、碁盤のように縦横に規則的に並ぶくぎに輪ゴムをひっかけて図形を作る「パターンボード」(というおもちゃ)を使ったものがあります。

お手本と同じ図形を輪ゴムで作ったり、難易度の高い課題では、左右対称や、回転した図形を作ったりします。カラフルな輪ゴムを使って、重ねていく順番を正確に再現させる課題もあります。楽しみながら手指の器用さとともに図形感覚が身につくので、遊びの1つとして取り入れるのもおすすめです。

次ページいろいろな能力がわかる「紙をちぎる」
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