4年でゼロ→58人「外国人採用」始めた会社の実情 入社を希望する訳、馴染んでもらうための工夫
社内では、日本人社員が講師を務める日本語教室や、逆に彼らに英語を教えてもらう英語教室などの取り組みがある。また、部活に外国人社員が参加する、という光景もある。
「英語教室で講師をして、それで自信を持ったりする、ということもあります。そういう意味でも、できるだけフェアに扱う、ということですね。広報部が企画して、盆踊りを見にいくとか、海外の方に寂しくならないでもらうような、いい思い出を作ってもらうイベントもしています」
人事部による社員のアンケート調査でも、外国人の数が増えてきたことによって、上司と部下でカジュアルに話をするようなコミュニケーションをとってもいいんだ、と日本人社員が気付き始めた、という結果が出ている。ルールや制度によってではなく、自然な形で多様性が無理なく尊重され、実現できている。これが、外国人採用による、よい変化であるようだ。
日本人社員も英語で調べ物をするように
一方、業務面では、外国人社員の存在は、どのようなプラス面があるのだろうか。
「ITビジネスにおいては、最新技術に関わる文献やドキュメンテーションが英語で出来上がっているものがかなり多くて、生の情報に当たるという意味では、英語が読み書きできる人が新鮮な情報を持ってくる、ということがあります。
社内には多様なプロジェクトがありますが、各チームで外国人社員が何らかの情報を持ってきて、それを教えられて日本人社員が『俺も英語で調べられるようにしなきゃ』というようなよいサイクルがあります。私たちの領域では、情報上の時差というのはかなり大きいのです。ニッチな技術だと、日本語化されないものもありますから」
手探りで始まったシステムアイの外国人採用は、2020年のスタート時には、日本人と同じように求人サイトでの募集が主たる手段だった。すでに日本に住んでおり、日本語も流暢な人を中心に採用した。日本人と遜色なく日本で働ける層を採用した。
そして2021年からは採用エージェントの利用を始め、本腰をいれるようになった。また、すでに入社した社員による紹介、いわゆる「リファラル採用」も始まった。現在は、日本語レベルが低い人にも門戸を開きエージェント活用とリファラル採用を進めている。
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