AppleWatch、使い倒して分かった強みと弱点 今後注力すべきは"あの製品"との連携

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ここまでの情報をまとめると、現状では発売前に感じていたような「中途半端」な状態であることは間違いなさそうだ。とはいえ、UIとデザインが優れていることから、キラーアプリの登場によって形勢が一気に変わることは大いにあり得るのも事実。

もし注力するのであれば、「Apple Watchならでは機能」の部分だと思っており、たとえば、iPhoneではなく「iPadの補助機能」としての利用。iPadはカバンの中に入っているケースが多く、カバンから取り出さずに通知を確認したい需要は確かに存在している。

加えて、iPadが「VoLTE(LTEによる音声通話サービス)」に対応すると、技術的にはiPad上で通話することが可能になることから、Apple Watchで通話ができればかなり需要があるはずだ。

「iPhoneの補助機能」には限界が

このように、iPadとの連携は大きな可能性を秘めている。言い換えれば、「iPhoneの補助機能」という位置づけのままでは限界があるということ。しかし、現在のApple Watchは残念ながらiPhoneのアプリにしか対応していない。

加えて、アメリカではApple Payに対応するとのことだが、日本での対応はまだまだ先になるだろう。つまり、現状を総合的に見るとiPhoneのようなメガヒットは厳しいと言わざるを得ない。

では最後に。「Apple Watchは買いか否か?」という質問に答えたいと思う。結論としては、Apple Watchユーザーの数が少ない今のうちは「持っていること」で優越感を得ることはできるだろう。

しかし、機能が中途半端な以上、多くの人がApple Watchを手に入れ、一般的な存在になってしまうと「持っていることの価値」は薄くなってしまう。今のところ、そのような評価をせざるをえないと思っている。

夏野 剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授

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なつの・たけし

早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。


 

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