「笑ってすませられる状態ではありません。ただ、科学者たちって『そんなのウソに決まってるじゃん』と言って真剣に反論しないんですよ。それで僕は、新聞のエッセイなどで反論の記事を書き始めました。反響はありました。反ニセ科学本は爆発的に売れているわけではないですが、社会的に必要な本だと思って定期的に書いています」
現在は、
『暮らしのなかのニセ科学 (平凡社新書)』
『学校に入り込むニセ科学 (平凡社新書)』
『陰謀論とニセ科学 - あなたもだまされている - (ワニブックスPLUS新書) 』
に続く反ニセ科学本も2冊執筆中とのこと。
「やっぱり、もっとやさしい反ニセ科学本や、『政治に入り込むニセ科学』について書きたいですよね。反ニセ科学本を出すのは、正直怖いですけど。今までもクレームはたくさん来ましたけど、さらに怒る人が多そうですよね。
でも統一教会問題でも原子力発電問題でも、調べていくと政治の中にニセ科学が入り込んでいるのがわかります。だまされる人をこれ以上増やさないために、ニセ科学について本を書くことは意義があると思います。
今後も科学のおもしろさを伝える本やニセ科学にだまされなくなるための本を書いていきたいです。僕は学力劣等生出身だったからこそ、一般の人がどこでよくわからなくなるか、どのようにだまされてしまうか、どうしたらおもしろくなるかを伝えられると思っているんですよ」
どうして人はニセ科学にだまされるのか
前編の冒頭で筆者の知り合いがニセ科学にすっかりハマってしまったことを書いた。
その知り合い以外にも、
「え? この人が?」
という常識的なイメージのある人の口から、ニセ科学が飛び出すことがある。
どうすれば、ニセ科学にだまされなくなるのだろうか? そしてそもそも、どうして人はニセ科学にだまされるのだろうか?
「日本でニセ科学を広げた元祖のような人の著書に『どういう人が真実(実際にはニセ科学)を信じるのか』が書いてありました」
その本には、
『まず、2%の人はいち早く飛びつく。そのほとんどが女性が多い。彼ら彼女らは先覚者と呼ばれる。20%の人は素直な人。先覚者たちに真っ先に洗脳される人たち。70%弱は普通の人たち。やりかたや状況次第では信じる人たち。最後の10%以下の人たちが抵抗者と呼ばれる。50歳以上の男性に多く、学者やマスコミ関係者が多い。真実(実際にはニセ科学)を広げるためには、抵抗者は無視するべきだ』
というような内容が書かれていた。
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