テレビ離れのZ世代も見ている「テレビCM」って? タイパ重視のZ世代が惹かれる仕掛けとは

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デジタルネイティブでありタイパを重視するZ世代は、テレビCMに1次接触するよりも、使い慣れたデジタルツールを使い、誰かがまとめてくれた情報に2次接触として初めて情報に触れるケースも多いため、デジタルにおいてテレビCMコンテンツと連携した施策が有効だ。

テレビCMに誘導する「下準備」が必要

ただし、その際に単にテレビCMと同じコンテンツを置いておくだけではもったいない。15秒や30秒で尺の決まっているテレビCMと異なり、デジタルコンテンツはある程度自由を利かせることができる。

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例えばコンテンツの冒頭をオリジナル楽曲とダンスで演出し、途中に特徴的なキャッチコピーをシンプルに見せることによってZ世代の関心を誘ったコンテンツは、弊社の広告効果測定の調査結果からZ世代において購入意向を大きく高めていたことが示されていた。

テレビを見ないとされるZ世代に対し、テレビCMによりアプローチするのを諦めてはいけない。インパクトのあるシーンやフレーズで興味を掻き立て、ユニークさや遊びを持たせることでSNS上でバズることに成功すれば、自然とZ世代の中でも話題となる。そして、そこまで下準備を整えることができれば、実際にテレビCMが流れたときにZ世代からも注視され、テレビCMとしての役割を果たせるだろう。

林 裕之 野村総合研究所 コンサルティング事業本部 マーケティングサイエンスコンサルティング部 シニアコンサルタント

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はやし ひろゆき / Hiroyuki Hayashi

2009年東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻修了後、グローバルコンサルティングファームを経て、2015年野村総合研究所入社。専門領域は、生活者の意識・行動分析、需要予測などの予測モデル構築、購買実績データによる顧客の購買行動特性分析など、データに基づくマーケティング活動支援や戦略立案。これまで執筆した書籍(共著)に『なぜ、日本人は考えずにモノを買いたいのか?』(2016年)、『日本の消費者は何を考えているのか?』(2019年、以上東洋経済新報社)がある。

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