日本の復興支援に、成熟した中国の市民社会の力を活用しよう


 しかし、ボランティアなど被災地支援の機会を作ることはNPOや一般企業でも可能だ。被災地ボランティアなどの直接的支援活動を用意し、旅行会社等と組みパッケージツアーを作り販売すれば、世界を巻き込みながら日本の復興を進めていくことができるだろう。

隣国の中国からはもともと多くの人々が日本を訪問していたうえ、近年、市民社会も育っている。来日時のボランティアなどの被災地支援をセットしたパッケージツアーに興味を示す可能性は高い。

世界第2位の経済大国に躍り出た中国は単純な「価格の割引」だけに注目する市場ではなくなっている。市民社会が育ち、経済的な豊かさを社会的豊かさに結びつけようという意識が高まり、成熟社会へと歩み始めている。この隣国中国の市民社会のダイナミックスは日本の復興支援にも生かせるはずだ。

あかばね・まきこ

 CSR Asia日本代表。さまざまな業種の多国籍企業でCSR担当として10年以上の経験を持つ。スターバックス コーヒージャパン、セールスフォース・ドットコム、日興アセットマネジメントの各社で関連部署の立ち上げを手掛ける。2002年にはスターバックス コーヒージャパンの社長賞受賞、06年には社員ボランティアの仕組みが評価され、セールスフォース・ドットコムをさわやか福祉財団の「ナイスサポート賞」受賞に導く。いずれの受賞も企業のCSRプログラムを本業とうまく統合させていくことが評価されたもの。セールスフォース・ドットコムではシンガポール支社でのCSR部署の立ち上げを経験。ほかにも日本以外ではタイ、韓国、中国でのCSRプロジェクト実施の実績がある。早稲田大学で政治学と生物学を修め、カリフォルニア大学リバーサイド校、タフツ大学、慶應義塾の各大学院で学ぶ。清泉女子学院大学、立教大学、慶應義塾大学、APABIS、ブリティッシュ・カウンシルをはじめ講演多数。

写真は日本で買い物をする中国人観光客、本文とは関係ありません。
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