マイクロソフトのAI施設率いる「日本人」は何者か 世界5カ国で展開する「AIラボ」総責任者を直撃

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――これまで既存のラボでは、どのような成果が上がったのでしょうか。

代表的なのが、コロナ禍での非接触ソリューションだ。各種のメーカーやエアラインなどの有力企業がラボを訪れ、「とりあえず、いろいろとノータッチにしたい」と。ある企業がコーヒーマシンを持ってきた際は、「ヘイ、あれをこうして」と言えばきちんと動作するような仕組みなど、数え切れないほどの事例が生まれた。

生成AIのトレンドが到来してからは、機密性の高い文書データに紐付いた応答システムを構築した。また、工場で不具合が生じた際、生成AIが過去のデータから「何番目のロボットに調整が必要な可能性が高い」といった提案をできるようにするなど、自動化関連のニーズも増えている。

ポジティブなインパクトを与え続けたい

――日本企業のAIやクラウド活用の現状とポテンシャルを踏まえ、神戸ラボでの目標を教えてください。

昔は勝手に「日本の企業は新しいIT技術に関して少し保守的だ」というイメージを持っていた。しかし何度か日本企業と対談したことで、今のAIのムーブメントとはきちんと向き合い、ビジネス改革についても柔軟に取り組んでいると感じる。とくにAIについてやりとりする際、日本企業が必ずサステナビリティやAI倫理について質問してくれることが、日本人として誇らしい。

神戸のラボに関する細かいKPIは公開できないが、サイズや分野に関係なく、できるだけ多くの企業とAI・クラウドへの取り組みを加速させていくことが大きな目標だ。

――インドやイスラエルなど、ほかにもラボの有望な候補地が散見されます。

いろいろな地域が候補として挙がっているのは事実で、各リージョンで話があるかもしれない。ただ、顧客に最新の技術で最高の提案ができるよう、現時点では開設済みのラボの運営に集中している。

――アメリカのマイクロソフト本社のメンバーとして、山﨑さん自身が実現したいビジョンは?

マイクロソフトは大きい組織で、本当にたくさんの取り組みがあり、いまだに新しい発見をする毎日だ。今回のようなラボプログラムを通し、できるだけ多くの人にポジティブなインパクトを与えられる立場に居続けたい。

森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。ITや広告・マーケティング、アニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」「マイクロソフト AI革命の深層」「CCC 平成のエンタメ王が陥った窮地」「アニメ 熱狂のカラクリ」「氾濫するPR」など。

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