孫泰蔵「将来のため勉強せよと教えるのは問題」 学校教育で才能を育てられない時代にできる事
佐宗:知とノウハウの共有による発展、まさにオープンソースですね。IT業界の発展のプロセスとも近いですね。
オープンソース的発展を遂げた日本のプロダクト
孫:そうなんです。僕の故郷、福岡の名物「明太子」も実はオープンソース的発展を遂げたプロダクトなんですよ。最初に作った人が「これ、うまいよ」ってみんなに配って、あえて製法特許をとらなかった。結果、いろんな人がちょっとずつ味を変えて明太子を作って売るようになって、今や福岡土産の代表格になっている。ノウハウをシェアするカルチャーは、クリエイティブなエコシステムには不可欠な要素である気がしますね。
佐宗:面白い! 熊本の黒川温泉も、個々の温泉宿がそれぞれで管理していた仕組みから、すべての宿が温泉を共有して盛り上げる仕組みに変えたことで、一気に地域全体が盛り上がるようになったと聞きました。
孫:「あの地域にいけば、いろんなことが吸収できるらしいよ」と評判が広まれば、若い才能がどんどん集まって、さらに高め合いの循環が起きますよね。
だからこそ僕の関心は、「学校」という狭い枠ではなく、「クリエイティビティを発揮させる<環境デザイン>はどんなものなんだ!?」って方向に向かっていくんです。
(構成:宮本恵理子)
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