16時に帰るデンマーク人が会議で心がけること 会議漬けの中間管理職が行った「驚きの改革」

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だが、それでも、問題はあるようだ。

デンマークでも、社員が多く大規模な企業になるほど、組織構造が複雑になる。中間管理職は多様なステイクホルダーとの調整役を担うため、必然的に会議が多くなる。そのため、デンマークでも、中間管理職の1日のスケジュールは、ミーティングで埋め尽くされている。

中間管理職を歴任してきたルイーセ・ウェリングは、日々の仕事に追われているようだった。彼女のスケジュールは会議で埋め尽くされている。

さらに、彼女は不動産業界でも働いていた。不動産業界にとって、顧客対応で忙しくなる時間は、顧客のフリータイム、つまり、平日の夕方や週末である。デンマークでも職種によっては、ワークライフバランスを取るのが難しい様子がうかがえた。

また、同じデンマークの職場といっても、外資系企業のデンマーク支部や、ビジネスをグローバルに展開しているデンマーク企業のワーキングカルチャーは、純粋なデンマーク企業や組織のワーキングカルチャーとは少々異なる。さまざまな国の社員や取引先が関わるようになると、必然的に職場のデンマーク色は薄くなる。

私が取材した印象では、デンマーク色が濃い職場で働いている人の方が、ワークライフバランスが確保されているようだった。

1時間の会議は50分に設定する

では、1日のスケジュールがほぼ会議で埋め尽くされている中間管理職を救うためには、どうしたら良いのか。

会社「テイク・バック・タイム」を経営するペニーレは、会議の開催方法についても提案している。ペニーレ曰く、デンマークの中間管理職のスケジュールは、基本、ミーティングで埋め尽くされている。

「朝出勤して、9時から10時、10時から11時、11時から12時……ずっと会議が続く。ずっと会議が続くから、各会議のために準備をする暇もない。だから、会議の冒頭の時間を『この会議のテーマはなんだっけ?』という確認に使うことになってしまう。そんなのは時間の無駄」

と、言い放つ。さらに、ペニーレは面白い指摘をする。会議というのは、1時間に設定すれば1時間かかり、2時間に設定すれば2時間かかるものだと言うのだ。

言われてみれば、たしかに思い当たるところがないだろうか。そのうえで、会議の仕方について、ペニーレはこんな提言をする。

「会議は中途半端な時間に設定するのがいいの。30分の会議は、25分に設定する。1時間の会議は50分に設定する。そうすると、自然に、時間に意識が向くようになるから」

なるほど。これはちょっと画期的なアイデアかもしれない。30分の会議は25分に、1時間の会議は50分に設定すると、無意識に時間に意識が向きそうだ。

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