KDDIなど通信3社「NTT法廃止」に再度反対表明 自民党のPTが同法の廃止を求める方針を示した

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NTTの看板
(撮影:東洋経済オンライン編集部)

NTT法廃止による同社の完全民営化を巡り、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの経営トップらが4日会見を開き、改めて廃止に反対する姿勢を表明した。KDDIの高橋誠社長は、自民党のプロジェクトチーム(PT)による同法廃止提言は国民の声を聞いたものとは言えず、オープンな場での議論の必要性を繰り返した。

会見では、ソフトバンクの宮川潤一社長が廃止について「全然腹落ちしていない。改正でなぜいけないのか」などと話したほか、楽天モバイルの三木谷浩史会長は2020年のNTTドコモの完全子会社化についても「本来見直すべきではないか」と主張した。

3社はかねて懸念を表明していたが、自民党のPTが1日、2025年の通常国会をめどに同法の廃止を求める方針を示したことから、再び反対姿勢を打ち出した格好だ。会見はユーチューブでも配信し、高橋氏は「通信会社間のいざこざではない。国民生活に直結する問題だ」と強調。世論に訴えかけた。

自民党の特命委員会が6月、防衛力強化の財源として政府保有のNTT株の売却を提案したのをきっかけに同法の見直し議論が始まったが、その後提言案の焦点は通信産業政策に変わった。同法廃止が実現すれば、政府による3分の1以上の株式の保有義務や、外国人の役員就任を認めない規定などが撤廃されることになる。

NTTの広報担当者はコメントを控えた。

KDDIなどの3社は、日本電信電話公社時代に築いた大規模な通信インフラを持つNTTが完全民営化すれば、公正な競争が損なわれると懸念を示す。高橋氏はNTTのネットワーク利用の議論を例に挙げ、NTTドコモが完全子会社化されてから「こっち側のサイドでは議論してくれなくなった」と説明。「強大なNTTに先祖返りしてしまうと、議論の場が失われる」と話した。

11月にはX(旧ツイッター)に、三木谷氏が「国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない」などと投稿。NTTは広報室のXを通じて「保有資産は最終的には株主に帰属するのでこの主張はナンセンス」と反論していた。

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著者:古川有希

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