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日本とパレスチナにルーツ持つオペラ歌手の本心 語られ尽くされていないパレスチナの悲劇

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  • 楠 佳那子 フリー・テレビディレクター
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クラシック音楽も、植民地主義である欧米を中心としない、より国際的な、そして公平な音楽へと成長して欲しいです。もちろん和平が最終目的ですが、迫害され続ける人間がいる限り、真の平和ではありません。

まずはすべての人間に正義を取り戻す必要があります。そのためにも、声を奪われ、迫害された人間の存在と尊厳を歌い、そして訴え続けることは芸術家に与えられた重大な役割です。

「オペラを初めて聴いた」パレスチナ人少女の反応

筆者はマリアムさんとは小学校からの同級生だ。都内のインターナショナル・スクールで共に学んだ。高校卒業時の同級生はわずか29人。その場に、パレスチナ人のマリアムさんと、そしてイスラエル人の同級生が1人いた。皆、その小さな国際社会で共存していた。
インタビューでマリアムさんが語っていた、イスラエル兵士に拘束された父の姿を目の当たりにした母がマリアムさん姉妹に歌ったのは、日本の子守唄だった。あの瞬間が、マリアムさんがオペラ歌手としての道を志す第一歩だったそうだ。
マリアムさんが、パレスチナの故郷であるヨルダン川西岸で初めてソロリサイタルを開いた際、筆者は取材で同行した。不条理な塀の中に閉じ込められてきた10代位の少女があの日、「生まれて初めてオペラを聴いた」と目を輝かせていた。あの時、マリアムさんが届けた感動を癒しとし、この悲惨な状況下を生き抜いてくれたなら、と願っている。

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