――マリアムさんは日本育ちですが、パレスチナはマリアムさんにとってどんな意味のあるところですか?
パレスチナには日本よりも親戚が多く、彼らとは非常に親しくもあります。3歳の頃からクリスマスなどは祖父母の暮らすパレスチナで過ごすこともあり、パリに移住した今は可能な限り毎年戻るようにしています。
遠い日本に暮らしながらも、愛する家族を日々苦しませる占領、不正、紛争の事実と苦しみには幼いときから日常的に触れていました。また日本では「パレスチナ人=テロリスト」との意識が強く、学校ではアイデンティティーを隠せとも言われたのです。
少なくとも6000人の子どもの命が奪われた
――今回のハマスの攻撃では、イスラエル側の民間人の子どもや赤ちゃん、お年寄りも犠牲になっていると伝えられています。今回攻撃が起きたことについて、率直にどう思いますか。
民間人に犠牲者が出ることは、決してあってはならない犯罪です。心が痛みます。そして、パレスチナ人こそ、この痛みが理解できるのです。
今回、初めてイスラエルはこのような規模で被害を受けましたが、パレスチナの人々は75年間絶え間なく世界屈指の軍事国イスラエルの下に軍事占領、「アパルトヘイト(人種隔離政策)」、ガザの包囲や定期的な爆撃と多くの虐殺を通し、民族浄化され続けているのです。南アフリカ、アルジェリアなど数々の国の歴史に見られるよう、入植者植民地主義は持続不可能な、非常に残虐なシステムであり、必ず抵抗運動が伴うのです。
――ガザでも多くの民間人、特に多数の子どもが犠牲になっています。
ガザ住民の47%が18歳未満、40%が14歳以下です。ガザでは10月7日以来1万5000人以上の死者が出ており、そのうち少なくとも6000人が子どもですが、日々この数は増えています。
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