日本とパレスチナにルーツ持つオペラ歌手の本心 語られ尽くされていないパレスチナの悲劇

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2年前のガザ攻撃の時は、抗議活動としておとなしく行進していたら直接催涙弾を打たれました。今回は、ケフィエ(パレスチナのスカーフ)を首に巻いて近所で買い物中、見知らぬ男性に怒鳴られました。

パレスチナ人へのヘイトクライムはアメリカなど欧米各国で多数起きています。11月26日、アメリカ・バーモント州で大学の後輩を含む3人のパレスチナ系青年が銃撃されました。

また、ハーバード大学で見られたように、パレスチナを支援する多くの人は職をなくし、ドイツでは多くの市民が警察に暴力を受け、逮捕されています。

これらが「ヘイトクライム」とされないのは、欧米諸国が「パレスチナ支援」そのものを罰するスタンスを取っているからです。国家レベルで戦争を支援される今、フランスなど欧米のパレスチナ人は身の危険を感じています。国側が言論の自由を抑え、ヘイトクライムを行っているのです。ファシスト的な現象です。

アメリカによる積極的な軍事支援

――パレスチナ問題はイギリスの「三枚舌外交」によって終わりの見えない悲劇が何年も繰り返されています。

ポスト・コロニアルと言われますが、植民地時代は、終わっていません。まず、イスラエルは一刻も早く人種隔離政策と占領を終結し、ガザの包囲を解き、西岸の入植地を撤退させるべきです。これらの国際法違反が続く限り、両側が望む共存への道は停頓状態です。

なかでもアメリカは1999年以来、イスラエルへ年間最低26.7億ドルの軍事支援を行い、2019年以降、その額は年間38億ドルとなっています。国連、アムネスティなど数々の国際団体が引き続き国際法違反を非難しても、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの賛同なしには無力です。南アフリカの人種隔離政策は、国際社会の力とボイコットが効果的でした。パレスチナの場合も、これらの解決法に力を入れています。

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