年末の「音楽特番」、旧ジャニだらけの気になる事情 くっきりわかれるテレビ局の対応から見えるもの

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ただそれでもネットメディアがこれを報じると、「テレビ業界と旧ジャニーズとの関係は変わってるようには見えない」「タレントには罪がない、を合言葉に大して変わらなかった」「それでもなおジャニーズの顔色をうかがいながら、隠すべきところを隠しているように思える」などの批判的な声はやんでいません。

なかでも、テレビ局の姿勢に懐疑的な人の気持ちを端的に表現していたのが、「結局、『やりましたよ』ポーズ。検証番組の検証が必要なんじゃない?」というコメントでした。

世間の人々が本当に知りたいところや責任の取り方などに言及しないから、「検証番組は『やりましたよ』というポーズに見えてしまう」し、「全面的に新規契約を再開させたいからやっている」と思われてしまうのでしょう。さらに民放各局が似たレベルの検証番組を放送していることから、「やはり利害関係のない第三者による検証でなければ意味がない」という声があがるなど、各局や業界の信頼回復につながっていないのが苦しいところです。

そんな納得感に欠けた心理状態で、被害者救済も新体制も進まない中、年末の大型音楽特番に所属タレントが次々にキャスティングされていけば、SMILE-UP.と各局への批判が再燃するのは当然なのかもしれません。

批判のトーンダウンで起用のチャンス

振り返ると、旧ジャニーズ事務所と各局への批判が急速に高まったのは、8月29日に行われた再発防止特別チームの会見と、それを受けて9月7日に行われたジャニーズ事務所の会見あたりから。以降、約2カ月間にわたって猛烈な批判を浴びせ続けた“怒り疲れ”からなのか、この1カ月程度は、そのエネルギーがややトーンダウンした感がありました。

さらに大きいのは、各局にとって重要な経済界からの批判も同様にトーンダウンしていること。私が何人かのテレビマンと話した範囲ではありますが、批判がトーンダウンしたことで、「年末の大型音楽特番に起用できるのではないか」「その他の年末年始特番にも起用できそう」という業界内のムードを感じていました。

9月7日に行われたジャニーズ事務所の会見以降、風向きの変化が…(撮影:風間仁一郎)
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