亀山ブランドの“終焉”、液晶のシャープに迫る危機感

亀山ブランドの“終焉”、液晶のシャープに迫る危機感

「全然儲からない40インチ以下のテレビ用液晶パネルはもうやる必要もないし、そんな気もない」--。6月3日、不振が続くテレビ用液晶パネル事業について記者会見したシャープの片山幹雄社長は“白旗”を揚げた。

「世界の亀山モデル」。

シャープは液晶テレビの創生期から市場を牽引し、ライバル企業が基幹部品のパネルを外部調達する中、パネルから組み立てまで亀山第2工場(三重県亀山市)で一貫生産して差別化してきた。実際、産地ブランド化が奏功し、同社の液晶テレビは今でも国内シェア首位。だが、今回そのアイデンティティを自ら捨てる決断を下した。

40インチ以下の液晶テレビ用パネルは他社テレビメーカーへの外販をやめるだけでなく、自社のテレビ向けも今後、奇美電子など台湾企業から調達する方向だ。

敗因は体力消耗戦に突入したグローバル競争だ。同じくパネルから一貫生産するサムスン電子など韓国企業が台頭して価格競争力が劣化。ソニーなど有力なパネル外販先と見込んでいたテレビメーカーへの出荷量が想定を下回り、2010年9~12月期からテレビ用液晶パネル事業は赤字に転落した。ダメ押しとなったのが3月の東日本大震災によるエコポイント駆け込み需要の不発だ。パネル在庫は膨らみ、亀山第2工場と堺工場(大阪府堺市)は1カ月強の操業休止に追い込まれた。

代わって液晶事業再生の命運を託すのは携帯端末向け液晶。亀山第2工場では、テレビ用からスマートフォンやタブレット型の携帯端末用途へ順次転換し、13年3月期には8割超を非テレビ向けで占める計画だ。堺工場では、テレビ用は付加価値の大きい60インチ以上に特化する一方で、電子黒板や電子看板など新用途も積極的に開拓していく。

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