コロナ禍の2021年卒で一度落ち込んだ大卒の就活内定率は、2024年卒ではほぼコロナ前の水準に戻っている。
厚生労働省と文部科学省が調査している「大学等卒業予定者の就職内定状況」によると、卒業前年10月時点の大卒内定率は、2020卒は76.8%、2021卒では69.8%に落ち込んだが、2024卒は74.8%まで回復した。
就活生が内定を取りやすくなる中、応募者が殺到して「狭き門」となっている企業はいったいどこか。最新の『就職四季報 総合版』データを基に、新卒就活で総合職(技術系以外)の倍率が高い企業トップ100社を抽出した。
倍率は2024年4月入社予定の本エントリー(正式応募)数と内定者数を基に算出している。調査は2023年8月時点の数字のため、採用継続中の企業は暫定値の場合がある。
人気の食品メーカーをおさえ1位になったのは?
1位はGMOインターネットグループ。決済やドメイン登録などのネットインフラ、ネット証券を主軸とする国内ネット企業の老舗だ。『就職四季報』に掲載しているIT(システム・ソフト)業界の総合職(技術系以外)の倍率平均は47.6倍と、他業界より高めではあるが、GMOインターネットグループはそれをはるかに上回る476.5倍を記録した。
2位はカゴメ。野菜ジュースなど飲料事業を中心に、トマトケチャップ、トマト調味料、ソースなども展開している食品メーカーだ。2024年卒では、総合職(技術系以外)の内々定(予定)者数12人に対し、4532人の応募があった。
就活生にとって身近で知名度の高い企業が多い食品メーカーは、倍率も高くなりがちだ。『就職四季報』に掲載の食品・水産業界の倍率は平均86.2倍となっている。一方、業界平均の倍率が低かったのは、建設(平均14倍)、自動車部品(15.9倍)などだ。
倍率が高い企業はそもそも採用枠が少ないうえ、知名度が高く応募が集中するケースが多い。もちろんランキング上位には就活生にとって魅力的な企業も多数あるが、こういった企業のみに絞って選考を受けていくと、気がつけば「持ち駒ゼロ」という事態にもなりかねない。
これから本格的に選考が始まっていく中で、いかに視野を広げて企業を探すかということが、納得して就活を終えるための重要な要素となるだろう。
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