佐藤正久氏「ガザ地区民間人避難へ自衛隊参加を」 各国による「海上回廊」の設置を検討すべき

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

松山キャスター:アメリカなどは、A案に近い「パレスチナ自治政府がガザ地区を統治すべきだ」との立場だ。

玄葉氏:C案では、ガザの住民をシナイ半島に移住させる、いわば集団追放というか、強制移住させ、ガザをユダヤ人の土地にするということだからとても受け入れられないだろう。エジプトが受け入れないだけでなく、アラブ全体の反発で、場合によっては第五次中東戦争になりかねないリスクもはらむ。A案のパレスチナ自治政府にガザに入ってもらうのは、良いようにも見えるが、残念ながら自治政府に信頼がない。アッバス氏と会ったことがあるが、すでに高齢だ。残念ながら負けるから選挙をしない。汚職もある。だから、ガザのパレスチナ人から全然信頼されていない。そういう人たちがガザに入って統治できるのかという問題がある。そこが非常に悩ましい。戦後計画をきちっと持っていない中で今やっている。そこが難しい。

橋下氏(写真:FNNプライムオンライン)

イスラエルがカギを握っている

佐藤氏:今回分かったことがある。イスラエルは一応譲歩して戦いを止めた。結果、ガザの南部に多くの人質がいることがわかり、ハマスの幹部も南部にいることがわかった。となると、ハマスの殲滅という戦争目的からすると、南部に戦闘行動を起こさないという選択肢はなくなってしまう。なので、この戦闘休止が終わったら、おそらく(南部への)相当程度の空爆が始まるだろう。地上部隊も一定程度進攻する可能性は高い。それが多分イスラエル側の今の思いだと思う。

橋下徹氏(番組レギュラーコメンテーター、弁護士、元大阪府知事):南部への攻撃ということになれば、パレスチナ人はエジプトにも行けない、イスラエル国家の中にも安全地帯は作られないということになれば、それこそジェノサイドということで、とんでもないことになるではないか。

佐藤氏:だから私は海上回廊的なもの(の設置)を(提唱している)。フランスも提唱しているように一定程度船を出して……。

橋下氏:(海上に)避難ルートを作ると。

佐藤氏:海上に避難ルートを(つくる)。ハマスには対艦ミサイル能力はない。一定程度、海上のほうにいつでも避難できる態勢をつくることは、欧米の責任としても必要だ。

橋下氏:これくらいは国際社会の様々な軍の船を使えばできるのではないか。

佐藤氏:フランスもイタリアも一定程度やると言っている。日本の輸送艦も相当の能力がある。特に日本はG7(主要7か国)の議長国だから、人道支援という観点から様々なアイデアを出すことは大事だ。

梅津キャスター:各国がすごく懸念しているイランが出てくる展開は今後あるか。

玄葉氏:だから(戦闘を)止めるということだ。一時避難する場所をどこかに作るということももちろん最終的にやむを得ない面はあるが、(戦闘を)止めればいい。とにかく停戦させる。ハマスは悪い。悪いけど、結局殲滅しても、いずれそれ以上の過激派が出てくる。そのことを見越してもうとにかく(戦闘を)止める。私は繰り返しそれを言いたい。

松山キャスター:今回インタビューしたパレスチナの大使は、「今回の問題はガザだけの問題ではない。最終的な解決に至るには、二国家共存のきちんとした道筋が担保されるまでは終わらないだろう」ということを言っていた。そう考えると、1993年のオスロ合意と同じような形で何らかの秩序をつくる合意ができるかどうかが焦点だと思う。

佐藤氏:それには、やはりキーはイスラエルだ。力が圧倒的に違うから。イスラエルが一定程度自らの戦争目的を達したという形を作らないと、多分彼らは簡単には停戦には応じないと思う。

FNNプライムオンライン「日曜報道 THE PRIME」 の関連記事
木原防衛相 中東での日本人退避活動に備える隊員をオンライン激励
保育器の乳児が死に瀕しても、イスラエルがガザ地区に「燃料」支援を認めない理由
【全文】「ハマス指導者を抹殺しなければ」「中国はロシアを従属国に」ヒラリー・クリントン元国務長官インタビュー

FNNプライムオンライン

FNNプライムオンラインは「テレビとの新しい付き合い方」ができるメディア。フジテレビ系FNN28局が総力を挙げ、これまでのテレビやニュースの枠を超えた記事・動画・ライブ配信・最新ニュースなどのコンテンツをお届けしています。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事