「婚約者の家がゴミ屋敷」クリスマスイブの衝撃 もしゴミ屋敷に再びなったとしても大丈夫

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ズルズルと支払いが滞ることを繰り返し、ついには連絡を取り合っていたLINEに既読が付かなくなり、電話をかけても無視するようになった。そして、1年が経ったいまでも、10万円は未払いのままだ。

「あれだけ関係性ができていたのに急に連絡が取れなくなって、悲しいですよね。せっかく部屋を綺麗にして前を向くことができたんだから、依頼者さんには後ろめたいことをしてほしくない。もどかしい、やるせない気持ちですね」(二見氏)

ゴミ屋敷に再びなったとしても「また頼めばいい」

先日、別の料金滞納者からイーブイに電話があった。内容は、「部屋がまたゴミ屋敷になってしまったので、どうしても助けてほしい」というものだった。二見氏は前回の滞納分をもらわないまま、再び分割払いでその依頼を受けたという。

「普通に考えたら未払い分を払ってから依頼をするのが当たり前です。でも、未払いの状態で“また助けてほしい”って電話をするって、かなり勇気のいることですよ。逃げずに非を認めて謝ることはとても大事なことですから。僕らもゴミ屋敷をゼロにできるなんてハナから思っていないです。もしゴミ屋敷に再度なったとしても、また頼めばいい。そのときに頼れる場所があるのとないのとでは、気持ちがまったく違うじゃないですか」

もし、この依頼者夫婦の家がまたゴミ屋敷になってしまった場合、「合わせる顔がない」とほかの業者に連絡をするのだろうか。しかし、それは逃げでしかない。そのときは頭を下げてイーブイに連絡をしてほしい。二見氏もそう思っている。

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國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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