部屋が1Kと狭いこともあってモノの量はそこまで多くないが、とにかく生活ゴミが犬の食べかけのエサとともに部屋の隅々まで散らばっている。犬の糞尿によるダメージが深く、ゴミをすべて片付けたとしても原状復帰とはならないだろう。
その光景を前に女性はパニックに陥り、その場で泣きながらイーブイに電話をした。
主人が家に帰りたくなるような空間にしたい
電話の翌日に現場へ向かうことができるのは異例だ。多くの場合すでに片付けのスケジュールが詰まっているため、2週間は余裕をみてほしいという。しかし、この日はたまたま翌日の夕方から数時間だけスケジュールが空いていた。片付けの作業をしながら、二見氏が話す。
「今日を逃したら年内はもう作業ができなかったんです。今日が土曜日で、引っ越しの搬入が月曜日。一日空いていれば荷物が入るまでに絨毯とか、家具を新調して入れておくことができます。依頼者さんが真剣に困っていたら、何とかしないとって思いますよ」
女性もパニックは収まった様子で、笑顔すら浮かべている。想定外の出来事とはいえ、いくらなんでも翌日の片付けは急すぎて迷惑ではないのか。二見氏と顔を合わせるまで、女性はイーブイに対して後ろめたい気持ちがあったようだ。
「たまたまスケジュールが空いていたということで、電話してよかったんだと思えます。主人には“片付けできそう”っていう報告だけはしているんですけど、私の中ではこのチャンスを逃したら、お互いこの状況で生活していくのはしんどい気がしていました。主人が仕事の後に帰りたくなるような空間に私はしたくて。プロの方々にやってもらってから、自分ができる範囲で空間づくりできたらいいなって思っています」(女性)
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