来春に消滅する「Tポイント」栄華と没落の20年 業界の先駆者が三井住友経済圏に事実上吸収

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元ファミマ関係者は「運営会社に出資することで、Tポイントへの貢献度に見合った利益配分を得たかった」と明かす。それだけ当時のTポイントに、高い価値を見いだしていたことがうかがえる。

パイオニアとして栄華を極めたTポイントの牙城を崩したのが、楽天グループとNTTドコモだ。ECをはじめとする経済圏の活性化機能として、2014年に楽天が共通ポイントに参入。2015年には、ドコモもdポイントを始動させた。

ITや通信を主戦場とする両社に対し、CCCはツタヤからの収益が細りつつあり、「資金力勝負の還元合戦で太刀打ちできなかった」(CCCのTポイント事業関係者)。

2019年には、ファミマが楽天ポイントとdポイントを利用可能にするマルチポイント化を断行。同時に出資も引き揚げた。その前後で、三越伊勢丹グループなどの離脱も相次いだ。

「宝の持ち腐れ」状態

とどめはヤフーの離脱だ。同社グループは2018年にキャッシュレス決済サービス「PayPay」を開始し、独自のPayPayポイントも導入。2022年3月に大半のサービスでTポイントの取り扱いを終え、ファミマ同様に出資も引き揚げた。

逆風にさらされ、没落したTポイント。Vポイントとの統合で問われるのが、今後の提携関係におけるCCCの貢献度だ。

CCCは、Tポイントの顧客データを基に展開してきた販促宣伝のソリューションなどを、三井住友FGの膨大な決済データと連動させ、高度なマーケティングの提供を目指すという。

ただ、前出のCCC関係者は「加盟店の手数料ビジネスで稼げていたので、データを使う人材が熟練していない。宝の持ち腐れという状態だ」と打ち明ける。

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