多忙なスケジュールに飲まれて涙を飲んだ水無月さん。しかし、意外とこの結果には悲観はしなかったそうです。
「実は編入試験は、東大より京大のほうがだいぶ楽なんです。東大は時間制限がものすごく厳しいのですが、京大は時間をたくさんくれて、難易度も東大より低いのです。全然対策できなかった東大でこれなら、京大はチャンスがあると思いました」
そして迎えた2カ月後の京都大学の試験。
現役時の受験は「緊張で眠れず、試験時間で爆睡をして3割5分しか取れずに落ちた」そうでしたが、今回の試験では、体をほぐしてリラックスする筋弛緩法を導入したところ、心拍数が軽い運動をしている時と同じくらいと言われている120くらいから70まで落ちたようで眠れたそうです。
こうして現役時の失敗を生かして実力を発揮できた彼は、無事京都大学の2年次編入学試験に合格し、京都大学工学部情報学科数理工学コースに入学しました。
「筆記試験の出来は悪くなかったのですが、自分がいいと思ったときは周りもできているなって思っていたんです。だから、受かったときは驚きが大きかったですね。一回不合格になった経験が生きた合格だったなと思います」
1年越しでリベンジができた
高専では珍しい仮面浪人を経験した水無月さん。
「受験はメンタルがいちばん大事だと思いました」と自身の浪人生活を振り返った彼は、浪人してよかったこと・変わったことに関して「失敗に対する恐怖が薄れた」、頑張れた理由については「大学のイベントがまったくなく、オンライン講義しかない状態で大学生活を終わらせたくなかったから」と語ってくれました。
「専門的な仕事に就くためにはなるべくいい大学に行くほうがいいと思っていたので、京都大学に入れてよかったと思います。京大は2年次編入だから自分は2年遅れの入学になるのですが、情報がない中で自主的に考えて自分の道を開拓したことが、時間よりもかけがえのない、素晴らしい経験でした」
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