吉野家、持ち帰り特化店「急拡大」の本質的変化 牛丼はテイクアウトを前提とする食文化になるか

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テイクアウト店の優位性

また、一般論でいえば、テイクアウト店の優位性は次にある。

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・人件費以外の固定費の少なさ。電気代も光熱費もテイクアウト店は少なくて済む。

・立地の柔軟性。固定費が低い、ということは、損益分岐点を下げることにつながる。デリバリーと組み合わせれば、オフィス街、商店街など、多様な選択肢がある。

・ブランディング。テイクアウト店舗で店舗数を拡大することで、ブランディングの向上が可能となる。認知度があがることで、店舗名自体の訴求につながる。

以上だ。

とはいえ、テイクアウト専門店だけが正義ではない。コロナ禍が収束するにしたがって、その場で食したいニーズも当然ながら増加する。

餃子の王将の類似例をあげたが、同店はテイクアウトの選択肢を増やしている。テイクアウト専門店を吉野家が増やすのであれば、出店余地が広がるのは間違いない。

ただ、これからコロナ禍がさらに収束するのであれば、牛丼が“たこ焼き”のようなテイクアウトを前提とする食文化に昇華できるかがキーとなるだろう。

個人的には愛好している吉野家は応援したいところだが、果たしてどうなるか。これからも吉野家に注目したい。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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