家具王者ニトリを襲う「1ドル150円時代」の試練 似鳥会長「1ドル155円前提で商品開発する」

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今後の為替レートに関して似鳥会長は、2024年中には円高に転じるとの見方を示した。「今までは2年~2年半の長期で為替予約をしていた。昨年は皆さんの意見を聞きながら短期で為替予約をしたが、結果は大失敗。やはり短くても1年単位で取らないといけない。今のところ1ドル=155円以上(の円安)になることは考えていない。次、為替予約をするなら1ドル=120円以下か」(似鳥会長)と振り返った。

今2024年3月期下期に向けては、前述の粗利益対策に加えて、購買客数についても挽回を図っていく必要がある。4~9月の既存店客数は前年比で91.7%に沈んだ。

ニトリは2022年秋に値上げを実施後、客数減が続いている。キッチン用品などが堅調だった一方、残暑が長引いたことで布団などのファブリック類が伸び悩んでいる。

今後は販促に一層力を入れることで客数回復を目指す。12月には値下げキャンペーンを実施し、昨年よりも対象アイテムを増やしていく。新商品周知のため広告宣伝も強化し、前下期より7本多い34本のテレビCMを放映する予定だ。

「ユニクロさんのように海外で稼ぎたい」

また、海外戦略についても抱負を語った。海外で最も多く出店している中国は不動産不況のあおりで苦戦が続くが、8月出店のタイ1号店、9月出店の香港1号店をはじめとした初出店地域でニトリ商品が好評を得ており、想定以上の売り上げが見込めるという。今後も韓国やベトナムで初出店が控えている。

これまでは国内を主軸に高い成長を続けており、2022年2月期まではコロナ禍での巣ごもり需要の恩恵も受けて、35期連続の増収増益(経常利益ベース)を記録した。だが特需が落ち着いてからの成長率は鈍化。前2023年3月期は決算期変更を行ったことで13カ月11日間の変則決算となったが、円安や貿易費用の高騰、減損損失などが原因で最終利益は減益だった。

似鳥会長は「日本国内はあと数百店で出店余地がなくなるが、海外なら無限。早い段階で(国内外の合計)年200店、2025年以降は年250店の出店ができるようにならないと。ユニクロさんは海外の店舗数が国内の2倍になっている。うちもユニクロさんを目指して海外の店を増やしたい」とビジョンを語った。

もっとも、ニトリ事業売上高に占める海外の構成比は4.9%(2023年4~9月期)で、利益貢献もまだ少ない。これから前半の遅れを挽回するには、柱の国内ニトリ事業が肝心となる。円安を打ち返して増益を達成できるのか、試練の冬となりそうだ。

山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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