ガチンコで漫才の戦いをやりたいのに、やらせを提案されもする。そして企画をつくってもスポンサーがいないとはじまらない。
今のM-1の盛り上がりからは想像できないが、どの企業も興味を示さず、邪魔はされるし、大変な苦労が待っていた。
しかしながら捨てる神あれば拾う神あり、某社の社長が一肌脱いでくれることになった、ここも最後にオチがあるのだが。
そして参加者を集めようと、M-1に漫才師を出してほしいと松竹芸能に頼んでも、「結局は吉本の漫才師が優勝するんでしょう」と不審がられる。
ついにM-1がはじまると、それはまさに漫才師たちの格闘技だった。
才能ない漫才師がやめるきっかけに
島田紳助は「才能がないのに漫才を続けているやつがいます。M-1はそんなやつらがやめるきっかけになると思います」と挨拶をした。そこには漫才に対する深い愛と大会の厳しさがあった。
「今夜の1番の人にだけ現金1000万円が贈られます」という緊張に支配されたヒリヒリする戦いが描かれ、M-1の初代審査員たちがどのように決まったかも書かれる。
審査員たちが出す点数、漫才師たちの表情、現場の熱さが伝わってくる著者の語りは読み応えがある。島田紳助と松本人志のやり取りを本書で確かめてほしい。
忘れ去られていた漫才を復活させる。たったひとりからはじまったプロジェクトのラストはどうなるのか。
誰もが知る漫才コンテスト「M-1グランプリ」の誕生秘話。「仲の悪い漫才師は面白くない」という持論を持つ著者の痛快な逆転劇。漫才ファンも、悩めるビジネスパーソンも一気読み確実な当事者本が出たことを喜びたい。
「M-1はじめました。」が10倍面白くなる
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