「すぐ消える芸人」と「天才芸人」は本質的に同じだ 藤子不二雄A『まんが道』のようなM-1誕生秘話

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
漫才をしているような木の人形
『新しい市場のつくりかた』の著者はM-1誕生秘話をどう読んだのか(写真:ナオ/PIXTA)
年末恒例の漫才コンテスト「M-1グランプリ」の決勝戦に向けて世間の期待と漫才熱が高まる中、2001年にM-1を立ち上げた元吉本興業の谷良一氏がM-1誕生の裏側を初めて書き下ろした著書『M-1はじめました。』が刊行された。
谷氏がつくったM-1という新しい「文化」は、漫才ブームという新たな市場の創造につながった。この過程をロングセラー『新しい市場のつくりかた』の著者で専修大学の三宅秀道准教授はどう読み解くのか。
前編に続き、後編をお届けする。

ドカンと報酬で報いてこそ業界は成長する

M-1はじめました。
『M-1はじめました。』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

産業論の視点から指摘すると、ある分野を活性化するのはやはり健全な競争の存在である。

1000万円という巨額の賞金に若手がやる気を出して、ネタを練り上げてくる。ある分野で、現場のクリエイター本人にドカンと報酬で報いてこそ、優れた人材が流れ込んできて、成長もするのは当然だ。いま、お笑いの世界が元気なのは、野心ある若者に成功のイメージをちゃんと見せられているからだろう。

次ページ「M-1」は何が画期的だったのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事