スマホが「実況中継」を根底から変え始めた

ボルチモア暴動で迫真の報道

もちろん、スマートフォンを使った報道自体は、そう新しいものではない。今や報道各社は、スマートフォンで撮影した動画を自社のFacebookアカウントやTwitterアカウントで当然のようにニュースとして流すし、我々もそれに慣れ親しみつつある。

「Periscope」が革新的なのはその「実況性」だ。Twitterのアカウントと連携して、実況が始まるとプッシュ通知で全フォロワーに知らせることができるのだ。筆者も先月から始めたが、ジャーナリストを数十人もフォローしておくと、とにかくひっきりなしに通知が来る。だから、速報も見逃さないというわけだ。元々、テレビ番組の実況や、速報に適していたTwitterが買収したのもうなずける話だ。

ボルチモアの暴動など、何かビッグ・イベントがあったときにはその実況でスマートフォンが埋めつくされる。ユーザーはそのうちからひとつ選んで、参加する。もちろん気に入らなかったら、すぐ別のユーザーが行っているものに移ればいいだけだ。

迫真の中継ができる

その実況はまさしく「真に迫る」ものとなる。ザ・ガーディアンのポール・レヴィス記者は、4月、激化するボルチモアの抗議者たちの様子を撮影しながら数百人のフォロワーに対して伝えていた。すると突然、レヴィス記者の中継はストップ。すわ、「彼は襲われたのでは」「いや、うまく逃げただけだよ」とフォロワーは一時騒然とした。

レヴィス記者は数分後に中継を再開し、「抗議者たちは僕の撮影が気に入らなかったらしい」とコメントした。

そこには恣意的な編集が入る余地も何もない、生の実況がある。そしてそれは、報道する側も消費する側も、安価で小さなひとつのスマートフォンで完結する世界である。

次ページ地図との連携でさらなる発展か、規制による衰退か
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